健康トピックス  

予防は子どもの頃から-骨粗鬆症(こつそしょうしょう)-



骨の量が減って弱くなる病気

 高齢者に多いことで知られている骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、骨の量(骨量)が減ることや、骨の質(骨質)が悪くなることによって骨が弱くなり(骨強度の低下)、骨折しやすくなる病気です。
したがって、骨粗鬆症の予防には、骨量を増加させることと、骨質を改善することが重要となります。

成長期に骨の量と質を高めておけば・・・

 骨粗鬆症の予防は高齢者になってから気をつければよいと多くの人が考えていますが、最も有効な予防は「若い頃に骨量を十分高めておくこと」と「質の良い骨を作っておくこと」です。
 人生の中で一番盛んに骨が作られるのが「成長期」ですから、この時期に、いかに骨量を増やすか、いかに良質な骨を作るかが、予防のポイントです。
いわば成長期に「良質な骨の貯金をしっかりしておけば、老後も安心」ということです。

食生活を改善し、それぞれの年代での対策を

 骨量を増加させるためには、骨の材料としてカルシウムを十分にとること、運動によって骨を刺激することが大切です。
そして、最近、骨質を改善するのに注目されているのがビタミンKです。
良質なビタミンKを含む納豆などの食品を積極的にとるようにしましょう。
 子どもの頃は、栄養を十分にとり、運動をし、良質な骨をたくさん増やすこと。
大人になったら、子どもの頃に増やした骨をそのまま維持するため生活習慣に気をつけること。高齢者は定期検査を受け、必要な場合は薬を飲み、骨折予防のために筋力をつけること。
それぞれの年代で骨粗鬆症への対策を心がけたいものです。



指導: 藤田保健衛生大学医学部臨床検査科 講師 田中 郁子
企画: 日本医師会
協賛: エーザイ株式会社