かぜをこじらせると
ほとんどのかぜはウイルス感染が原因で、多くは自然に治ります。
しかし3〜4日してものどの痛みや、熱、咳や痰、鼻汁などの症状が悪化した場合は、ウイルス感染後に細菌等に二次感染した“かぜをこじらせた”状態で、子どもや高齢者によく見られます。
このような症状では肺炎などを起こしかねないため、かぜでは通常使われない抗菌薬(抗生物質)※が使われることがあります。
※最近では抗菌薬と抗生物質はほぼ同じ意味で使われています。 |
「耐性菌」が増えてきたのは・・・
抗菌薬は最近の30年で種類も使う量も増えました。
この間に低年齢保育が増えはじめ、子どもの間にかぜがくり返し流行することも多くなってきました。
そこで、その対策として甘くて飲みやすい抗菌薬が次々と登場し、最初の頃には子どもの感染症治療に効果をあげました。
ところが、ここ10年くらいの間にペニシリン耐性肺炎球菌による肺炎がとても増えてきました。
これは一例ですが、初めはよく効いた抗菌薬に対して、抵抗力を次第に身につけた病原菌が「耐性菌」となったためと考えられています。
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抗菌薬は適切に使いましょう
耐性菌は、さらに強力な抗菌薬が開発されると抑えられますが、しばらくすると、またその抗菌薬に耐性のある菌が現れます。
抗菌薬は、適切に使えば大変に効果があり、感染症の治療に欠かせない大切な薬ですが、安易に使いすぎると耐性菌増加の原因になりかねません。
これ以上耐性菌を増やさないために、患者さんは自分の判断で服用をやめたり、別の病気の時に飲んだりしないようにして下さい。
かかりつけの医師の指示をきちんと守りましょう。
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