健康トピックス  

切っても切れない関係-腎臓病と高血圧-



慢性腎臓病って?

 腎臓は、体内の血液を1日に150〜200Lも濾過(ろか)して、老廃物を尿として体外に排出しています。
これらの働きが60%以下になってしまったり、タンパク尿が出るなどの異常が続く状態をひとまとめに慢性腎臓病と呼び、腎臓病の早期治療の対象としています。
 慢性腎臓病を放っておくと腎不全となり、人工透析や腎移植が必要になったり、最近は、脳卒中や心筋梗塞(こうそく)などが起こりやすくなることもわかってきました。

血圧と腎臓の深い関係

 腎臓には、血圧や塩分のバランスを調節する働きがありますが、その能力が低下すると、体内の塩分バランスが崩れて血圧が上がり、それにより腎臓の働きは悪化します。
腎臓病と高血圧は互いに悪影響を及ぼしあうのです。
 腎臓の働きの低下を防ぐには、血圧を上は130mmHg未満、下は80mmHg未満に保ちましょう。
この目標血圧を維持するためには、塩分摂取を1日6g未満にする、肥満を解消する、適度な運動をすることなどが大切です。

定期的に健診を

 慢性腎臓病は、老化による腎機能低下や、糖尿病、メタボリックシンドローム、脂質異常症など、さまざまな原因で起こります。
また自覚症状がほとんどないため、貧血・むくみ・疲労感などが現れたときには病気が進んでいる可能性があります。
定期的に健康診断を受け、気になる結果が出たときは、まずかかりつけの医師を受診しましょう。



指導: 聖マリアンナ医科大学腎臓・高血圧内科 教授 木村 健二郎
企画: 日本医師会
協賛: 大日本住友製薬