健康トピックス  

耳が遠くなった気がする-難聴は早めの受診を-



ある日突然・・・

 耳が遠くなると、会話やテレビの音が聞き取りにくくなり、大変不便です。
 ある日突然聞こえにくくなる病気もあり、その場合は早く薬を使うことで治る場合がありますが、2週間を過ぎると治るのがむずかしくなってしまいます。

ゆっくりと聞こえにくくなることも

 急にではなく、だんだんといつの間にか耳が遠くなることもよくあります。
音は空気の振動ですが、この振動を電気信号に変えて神経に伝える“内耳”と呼ばれる器官の機能は、年齢とともに衰えていきます。
耳も年をとるのです。
 これには個人差が大きく、65歳以上で約40%の方の耳が遠くなります。老化による難聴は、特に高い音が聞こえづらくなるのが特徴です。
体温計などの高い電子音が聞き取りにくくなります。

早めの対処を

 年をとった内耳を若返らせる妙薬は見つかっておらず、現時点では老化による難聴の治療法はありません。
しかし、難聴が老化によるものとは限りませんし、耳がどんどん聞こえにくくなる病気もあります。
 また、内耳よりも手前にある中耳の病気で耳が遠くなる場合にはさまざまな治療法があるものの、なかにはがんが原因で痛くない中耳炎になることもあります。
 最近は難聴の遺伝子診断も実用化され、その人に応じた予防策をアドバイスできるようにもなりました。
耳が遠くなった気がしたときには、早めにかかりつけの医師に相談しましょう。



指導: 京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科 助教 北尻 真一郎
企画: 日本医師会
協賛: エーザイ株式会社