健康トピックス  


骨がスカスカになると
動脈がコチコチに!?



骨では常に、古い骨が壊され、新しい骨に入れ替わる新陳代謝が行われています。
しかし、年齢とともに新しく作られる骨よりも
壊される骨のほうが多くなることで、骨は細くなり、
いわゆる骨粗鬆症(こつそしょうしょう)になります。

血液中のカルシウムは、一定の濃度に保つために、
不足すると骨から動員され、余ると骨に蓄えられます。
ところが、骨粗鬆症になると、必要以上にカルシウムが血液中に溶け出してしまいます。
すると、血管の筋肉細胞が骨を作る細胞の性格を持つようになり、
血管壁が硬くなります。これが動脈硬化なのです。

骨がスカスカ(骨粗鬆症)になると動脈がコチコチ(動脈硬化)に、
またその逆もあり、実は骨と血管はカルシウムを通して連動しています。

寝たきりや要介護になる疾患の1位と2位は、
動脈硬化による脳卒中と、骨粗鬆症による骨折ですから、
血管と骨をしなやかに保つことは大変重要です。



指導: 国際医療福祉大学教授
山王メディカルセンター・女性医療センター長  太田 博明
企画: 日本医師会
協賛: 武田薬品工業株式会社