子宮頸がんの大部分はHPV感染が原因
HPV(ヒトパピローマウイルス)は性行為によって感染します。性交経験のある人なら、男女を問わず、生殖器粘膜にHPVが潜んでいる可能性があります。
HPVには100種類以上のタイプがあり、そのうちHPV16型と18型はがんとの関連が特に強く、子宮頸がんの原因の約70%を占めます。HPV16型と18型に感染すると、子宮頸がんにかかる危険性が未感染の人に比べて数百倍も高くなります。また、感染から発病までの進行が速いために、20〜40歳の若い世代の子宮頸がんの主な原因となっています。
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ワクチンによって予防できます
そこでHPV16型と18型の感染を予防する“HPVワクチン”が作られました。HPVは性行為以外では感染しませんので、学童期から思春期にかけてHPVワクチンを接種すればHPV16型と18型の感染はほぼ100%予防できる見込みです。このワクチンによって、若い世代を始めとする多くの子宮頸がんを減らすことが期待されています。
ただし、すでに感染している場合は効きません。性交経験のある人では、すでに感染している人が含まれるため、ワクチンの有効率は下がってしまいます。
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がん検診も欠かさずに
HPV16型と18型以外にも、10種以上のタイプのHPVが子宮頸がんの原因となると考えられています。つまりHPVワクチンを接種していても、16、18型以外のHPVによる子宮頸がんは発生する可能性があります。
そのため、たとえ10代でHPVワクチンを接種していても、20歳になったら子宮頸がん検診を受けましょう。HPVワクチンとがん検診を組み合わせることで子宮頸がんをより確実に予防できるのです。
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