健康トピックス  

急激な温度変化にご注意-寒い季節の心臓病予防-



体温調整には血管が関係しています

 私たちの体は体温を一定に保つために、暑いときは体の表面に近い細い血管を大きく広げて、血液を多く流して熱を効率的に体の外へ逃がします。
逆に、寒いときにはこの血管を縮めて、血管内を流れる血液を減らすことにより、できるだけ熱が体外へ逃げないようにします。
 気温の変化に応じて体の表面に近い細い血管を広げたり縮めたりするこのような働きは、自律神経によって自然に行われています。
自律神経のうち、交感神経が活発になると血管は縮み、副交感神経が活発になると血管は広がります。


寒くなると高くなる血圧

 血管が縮んで細くなると、その血管に血液を流そうとして、心臓は大きな力で血液を送り出さなくてはなりません。
そこで血圧は必然的に上昇し、大きな力を必要とする心臓は負担が増えて、不整脈や心筋梗塞などにつながりかねません。
逆に、血管が広がると心臓は小さな力で血液を送ればすむことになり、血圧は下がります。
 今の寒い季節に暖かい室内から急に寒い外へ出たりした場合など、できるだけ熱が体外へ逃げないようにするために血管が縮む結果、急激に血圧が上昇することがあります。
暖かいところにいるときは薄着で、そして、寒いところへ出るときは寒気が直接肌に伝わりにくいような身支度を常に心がけ、心臓の負担を軽くしましょう。




指導:杏林大学
    名誉教授 石川 恭三
企画:日本医師会
協賛:第一製薬