健康トピックス  

まずは安静に-めまいが起こったら-



めまいは平衡感覚の障害

 耳の奥には内耳の一部で「前庭」や「三半規管」と呼ばれるところがあり、体の平衡感覚をつかさどっています。
内耳の障害でその機能に影響が出るとめまいが起こります。
また、小脳・脳幹の障害でもめまいが起こることがあります。
動悸や立ちくらみ、低血圧などによってフラフラしたりするのは「めまい」とは違います。
 めまいには大きく分けて「末梢性めまい」と「中枢性めまい」があり、その主な特徴は下のとおりですが、末梢性めまいの多くはあまり心配はいりません。

抹消性めまいと中枢性めまいの主な特徴
抹消性めまい 中枢性めまい
1 主に内耳の障害(耳鼻咽喉科) 1 主に脳幹・小脳の障害(神経内科、脳神経外科)
2 めまいは強く、グルグルまわることが多い 2 めまいは軽く、フワフワ浮いた感じ、ふらつき、動揺感などがある
3 めまいとともに、耳鳴り、難聴、耳がふさがった感じがすることが多い 3 舌のもつれ、物が二重に見える、意識消失、強い頭痛などがある
4 頭の位置を変えるとめまいの程度が変わる 4 頭の位置を変えてもめまいの程度は変わらない
5 目をつぶったとき、体のバランスがとりにくい 5 目をあいていても体のバランスがとりにくい
6 症状は数時間(ときに数分のことも)から数日で軽快する 6 症状の自然軽快は少なく、長引くことがある

こんなときは医師の診察を

 めまいが起きたら、安静にしてしばらく様子を見ましょう。
症状がおさまらなかったり、気が遠くなったり、頭痛がしてきたり、物が二重に見えたりしてきたら、早めにかかりつけ医の診察を受けてください。
耳鼻咽喉科を受診すべきか、神経内科や脳神経外科なのか、などを判断してもらいましょう。
 抹消性めまいの発作のときに自動車に乗ると、内耳に刺激が加わって症状が悪化してしまいますから、症状が落ち着いてから病院に行きましょう。
また、ストレスがあるとめまいが起こりやすいことも知られています。
日頃から疲れをためず、めまいのことをあまり考えすぎないことも大切です。



指導:国立病院機構仙台医療センター総合感覚器科
   部長 橋本 省
企画:日本医師会
協賛:第一製薬