健康トピックス  

食べ物による窒息の救急処置



食べ物が喉(のど)や気管に詰まると、窒息して死ぬことがあります。
餅、こんにゃく、ステーキなど噛み砕きにくいもの、小児ではピーナッツや豆状のお菓子が特に危険。
症状・・・詰まった直後から、言葉が出ないで、咳こむ。
取れないと、もがきながら、顔が紫色になり、やがて意識がなくなります。
救急処置の手順
誰かに救急車要請をさせる。
119番に電話して
「救急です。窒息です。」
がキーワード。
 
詰まった直後、まだ意識がある時:ハイムリック法
後ろから回り上腹部を突き上げる。
1 立位または坐位の後ろから救助者が抱える。
2 一方の手で握りこぶしを作る。
3 握りこぶしの親指と人差し指の輪で作った面を、患者さんの上腹部(みずおち)にあてる。
4 もう一方の手で、握りこぶしをにぎる。
5 この両手を、一気に手前上方に引くようにして、患者さんのみずおちを上に突き上げる
6 取れない場合は、数回繰り返す。
 
意識がなくなった時
寝かしたまま、上腹部を突き上げる。
1 仰向けにして、太ももにまたがる。
2 一方で手のひらの根部をみずおちにあてる。
3 他方の手をその上に重ねる。
4 この両手で、一気にみずおちを上に突き上げる
 
幼児の場合
握りこぶし代わりに、両手の人差し指と中指の4本で押し上げる。
 
乳児(赤ちゃん)の場合
下向きにして、背中をたたく。
1 太ももに乗せた赤ちゃんを、一方の手で逆さに支える。
2 他方の手のひらで背中を繰り返したたく。
注意点:
1. 意識がある時に、口の中に指を入れて取ろうとすると、噛まれるので危険。
2. 電気掃除機のノズルで餅などを取るのは、汚いので最後の手段
ノズルを喉まで入れてから電源をオンにしないと、舌を吸ってしまう。
3. 取れない時は、救急車がくるまで、胸部圧迫式の心肺蘇生術を続ける。


指導:慶応義塾大学医学部救急医学
   教授 相川 直樹
企画:日本医師会
協賛:武田薬品工業株式会社