二見いすず: 今週と来週のテーマは「がん検診」です。
2回にわたってお話いただきますのは、鹿児島県医師会の瀬戸山 史郎(せとやま しろう)ドクターです。
どうぞよろしくお願い致します。

瀬戸山史郎Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 9月は、がん征圧月間ということで、このテーマでお話をお伺いするんですが。
まず鹿児島県のがんの現状についてお話いただけますか。

瀬戸山史郎Dr: はい。
鹿児島では、年間約5,000人近くの方が、がんで亡くなっています。
そのうち一番多いのが、肺がんです。
これは男女とも一位です。
それから2番目が胃がんです。
しかし、胃がんの場合は、最近いろんな検診が発達しまして、そのために早期のがんが見つかるということで非常に減ってきておりまして、本県は今全国に比べ死亡原因の中で43位という非常に低いところにあります。
次に増えてきているのが大腸がんです。
男女とも。
それから女性の場合には、乳がん。
男性の場合は、前立腺が増えております。

二見いすず: さて、瀬戸山さんは現在、鹿児島市下伊敷にあります鹿児島県民総合保健センターの所長でいらっしゃいますが、こちらでがん検診を実施しているわけですね。

瀬戸山史郎Dr: そうです。

二見いすず: がん検診のメリットといいますと、どのようなことが言えますでしょうか。

瀬戸山史郎Dr: はい。
がん検診を受けますと、まず早期がんといいまして非常に助かるがんが見つかるということです。
ちなみに、胃がんの場合、一番歴史の古いがんは、早期がん比率が63.5%。それから、手術後5年以上再発しないとそのがんは治ったということになるんですが、それを5年生存率というふうに表すんです。
この5年生存率を見てみますと85.9%。
なんと8割以上、完治しているんですね。
それから一番いいのは子宮がんで、早期がんが82%です。
これはなんと5年生存率は99.2%です。
ほとんど助かっていますね。
ただ一つだけ、私どもが残念なのは肺がんの早期がん比率がわずか26.8%。
これの5年生存率は43.5%。
ほとんど50%いっていないんですね。
この肺がんを早く見つけて、そして予防をすることが大事な課題だと思っております。

二見いすず: 先ほどのお話で、肺がんは男性・女性ともに多いというお話がございましたよね。
そして、鹿児島県民総合保健センターでのがん検診というのはどのような形で検診を行われているんですか。

瀬戸山史郎Dr: それぞれの市町村に検診車がいきます。
ですから、受診者の皆様はわざわざ施設にいかなくても、車のところにきていただければ、そこで検診を受けられるということなんですね。

二見いすず: 専門医の方が検査も充分していただけるということですね。

瀬戸山史郎Dr: それから、撮ってきましたレントゲン等は2人の専門医が診るわけです。
ですから、非常に見落としが少ない。
精度がいいわけですね。


二見いすず: それは大変ありがたいですね。

瀬戸山史郎Dr: ええ。
そういうことですね。

二見いすず: 自分が出かけて行かなくても、自分の住んでいるところまで検診車がきてくれるということですね。

瀬戸山史郎Dr: 車が来るというのは鹿児島の場合は非常に離島が多いですよね。
離島の方でもこういう検診が受けられるということで、その離島の方々の早期発見に繋がっているというメリットがあると思います。

二見いすず: お話を伺っていまして、がん検診の重要さというのを改めて感じました。
来週もどうぞよろしくお願い致します。

瀬戸山史郎Dr: はい。
どうも失礼致しました。

二見いすず: ありがとうございました。