二見いすず: | 先週に引き続き「がん検診」です。 お話いただきますのは、鹿児島県医師会の瀬戸山 史郎(せとやま しろう)ドクターです。 今週もよろしくお願い致します。 |
瀬戸山史郎Dr: | はい。 よろしくお願い致します。 |
二見いすず: | 先週はがん検診のメリットなどをお話いただきましたが、その他にも様々なメリットが考えられますか。 |
瀬戸山史郎Dr: | まず先週言いました、早期がんが見つかるということは、進行がんに比べて非常に治療費が安くつくんです。 それから、そのため入院期間も短いということで家計の足しにもなるし、それから医療費自体もですね、やはり今医療費が高いということで問題になっていますが、これも節減するというメリットがあるんですね。 |
二見いすず: | そういうことを考えましても、やはりがん検診というのは年一回は、必ず受けていただきたいですね。 |
瀬戸山史郎Dr: | 先ほど言いましたように、無自覚・無症状でも40歳以上の方は、是非年一回。 自分の誕生日など日を決めて検診を受けていただくということが一番大事ですね。 |
二見いすず: | それから、自分で出来る予防というようなものがありましたらお話をいただきたいのですが。 |
瀬戸山史郎Dr: | 私どもはがんの一次予防といっておりまして、日本対がん協会がつくった、がん予防十二か条というものがあります。 これを少し説明したいと思います。 まずバランスの摂れた栄養をとるというです。 脂肪の取り過ぎは、大腸がんとかあるいは乳がん・前立腺がんの原因になりますので、そういう脂肪を控える。 それから塩辛いものは胃がんの原因になりますから塩辛いものも控える。 それから、焦げた部分は発ガン性がありますから、食べないということです。 それから熱いもの食道がん等になるということで、冷まして食べるということです。 それから、その他にビタミン類でいいますと、ビタミンCというのは、野菜とか果物に入っており、ビタミンCはすべてのがんが防げます。 それから、緑黄色野菜。 ベータカロチンが入っており、すべてのがんを防げます。 ですから、にんじん・かぼちゃ・ほうれんそう・ブロッコリー、こういったものを摂っていただきたいたいですが、今鹿児島県では摂取量が96gなんですね。 これを120g以上摂らないといけないというのが、今度「健康かごしま21」でも目標値が決まっております。 |
二見いすず: | もう少し増やして欲しいということですね。 |
瀬戸山史郎Dr: | それから全体的に野菜もですね。 290gなんですですが、これも350g以上摂っていただきたいと思います。 もう一つ大腸がんを防ぐためには、食物繊維。 いわゆる大豆とかごぼうとかですね。 1日20g以上摂っていただきたいです。 15g以下の人では大腸がんが非常に出やすいというデータがございます。 その他にお酒ですが、お酒はほどほどに飲めばいいということです。 それから、たばこですが、百害あって一利なし。 特に肺がん・心臓病ですね、一番のリスクになります。 特に、男性の方で50歳以上の方、そして喫煙指数といいまして1日飲んでいる本数と年数をかけて、その数値が600以上。 こういう方で、特に肺がんの場合は遺伝が関係しますから、三親等以内にがんのある人、こういった方は、是非、積極的に検診を受けていただくということが大事だと思います。 |
二見いすず: | やはり生活習慣、そして食習慣。 こういったものが大事になってくるわけですね。 |
瀬戸山史郎Dr: | そうですね。 一番大事だと思います。 |
二見いすず: | はい。 わかりました。 今お話をいただいたような一次予防として自分でできることに気をつけて、二次予防として年に一度がん検診を受けるということですね。 |
瀬戸山史郎Dr: | そうでございます。 どうぞよろしくお願い致します。 |
二見いすず: | どうもありがとうございました。 お話は、瀬戸山史郎ドクターでした。 なお、MBCラジオのホームページ、そしてこのコーナーにご協力頂いております鹿児島県医師会のホームページでもこのコーナーのバックナンバーがご覧いただけます。 休日当番医などの情報も出ていますので、是非こちらにもアクセスしてください。 来週からの二週間は「乳がん」についてお送り致します。 |