二見いすず: | 過しやすい季節になってまいりました。 今月のテーマは「スポーツ外傷」です。 今日から4回にわたってお話いただきますのは、鹿児島県医師会の桑畑 昭洋(くわばた あきひろ)ドクターです。 桑畑さんよろしくお願い致します。 |
桑畑昭洋Dr: | よろしくお願いします。 |
二見いすず: | 10月は、やはりスポーツの秋ということで、今回このテーマでお話をいただきますが、スポーツ外傷といいますのは、わかりやすくいうとどういうことなんでしょうか。 |
桑畑昭洋Dr: | スポーツ外傷とスポーツ障害という言葉があるんですが、スポーツ外傷というのは、スポーツの活動中、体に一回の大きな力が加わることによる怪我です。 例えば骨折・捻挫・脱臼・肉離れ等であって、スポーツ障害というのは繰り返すスポーツ動作で、体の特定部位が酷使されることによる故障です。 例えば、バレーの選手・バスケットの選手なんかはよくなるジャンパーズ膝です。 |
二見いすず: | 何度も何度もジャンプをするからですね。 |
桑畑昭洋Dr: | そうです。 野球選手の、野球肩です。 それから、テニスの選手がサービス時になるテニス肘なんです。 これらがスポーツ障害に入るわけです。 |
二見いすず: | スポーツ外傷とスポーツ障害というのは、やはり違うものというふうに考えなければいけませんね。 そして、永年スポーツ障害・スポーツ外傷に桑畑さんが携わってこられて感じていらっしゃることがおありだと伺いましたが。 |
桑畑昭洋Dr: | そうですね。 これはどちらかといえば、スポーツ障害の範疇かもしれませんけれども、子どものスポーツ活動についてなんですが、本来スポーツはレクリエーションスポーツ・競技スポーツ・健康を維持するスポーツにわかれるんですが、体の出来ていない年少時のスポーツはですね、精神心体を健常に育てるという目的がありますので、楽しみながらやれる、つまりレクリエーションスポーツでよいと思われるのですが、現実的には競技思考が強くなっておりまして、練習時間が長くなり、その結果オーバーユースですね。 使いすぎ症候群ともいうんですが、これが肉離れ・剥離骨折これらを引き起こす原因になっているみたいですね。 子どもの頃はですね、スポーツというのは楽しむという意味もありますので、色んなスポーツを無理なく楽しみながらやらせることが大事なことであって、それから少しずつ自分の好きなスポーツに変わっていく、そういうやり方がベターじゃないかと思われますね。 |
二見いすず: | どうしても勝ちたいとか、もっと上手になりたい、もっと強くなりたいという思いが子どもさんたちもそうですし、親御さんの中にもあるでしょうから、ついついオーバーユースということになってしまうわけですね。 |
桑畑昭洋Dr: | そうですね。 |
二見いすず: | 成長期ということを考えればちょっと慎重になった方がいいということでしょうか。 |
桑畑昭洋Dr: | 子どもの体をよく感じながらですね、それから親御さんたちは子どもの体調がどんなかとか常にですね、分かっているわけですから、それを見ながらスポーツをさせるということが大事だろうと思いますね。 |
二見いすず: | ありがとうございました。 来週は中学生位までの筋肉トレーニングとスポーツ障害の関係についてお話をしていただきます。 お話は桑畑昭洋ドクターでした。 |