二見いすず: 今月のテーマはスポーツ外傷です。
お話いただきますのは、鹿児島県医師会の桑畑 昭洋(くわばた あきひろ)ドクターです。
今日もよろしくお願い致します。

桑畑昭洋Dr: はい。
よろしくお願いします。

二見いすず: 桑畑さん、楽しんでいらっしゃる方が多いと思いますが、ジョギングとかウォーキング。
これとスポーツ障害についての関係をお話いただけますでしょうか。

桑畑昭洋Dr: はい。
ジョギング・ウォーキングはですね、一般的に健康維持スポーツとして行われています。
従って、中高年の方が多いわけですね。
発生する障害は、腰痛と膝関節痛が多くて、この両者で約70%を占めています。
これは骨・関節にすでに年齢による変性が始まっているからだと思われますね。
またランニングの距離が、1ヶ月200qを超えると関節の変形が出やすくなるというデータもありますので、そのへんも気をつけて距離を考えられたらいいと思いますね。
またウォーキングの場合は、心臓の鼓動を覚えながら隣の人と話しが出来るか、鼻歌が歌える程度のスピードがよいとされていますね。
循環器の故障も起こりやすい年代ですので、前もって全身症状をチェックされてから始められる方が賢明だと思います。
また靴を選ぶ際は、足には大きさが左右差がありますので必ず両足で履いてみて選ぶということですね。
色んなポーズをとって歩いてみることです。
例えばかかと立ち・つま先立ち・立ちしゃがみ、こういうテストをしてから選ばれると外傷、障害の予防になると思いますね。
それから、ウォーミングアップ・クーリングダウンも忘れないことですね。

二見いすず: 健康維持のためですから、無理をなさらないということも大事でしょうね。
そして、ジョギングなどに限らずスポーツ中の捻挫や肉離れに対してスポーツ医学的では常識的な応急処置があるそうですが、教えていただけますでしょうか。

桑畑昭洋Dr: 一般的にライスと呼ばれているんですけれども、RICEと書きますね。
REST、これは安静です。
Iceは冷やすです。
Compressionは圧迫、Elevationの挙上の頭文字を取ったものですね。
捻挫をしたらまず休ませ、患部を冷やし包帯などで圧迫して損傷部位を心臓よりも上に上げなさいということなんですね。
どういうことかといいますと、安静とは損傷部位の腫れや血管、神経などの損傷を防ぐことが目的ですね。
ギブスシーネやテーピングで損傷部位を固定します。
アイスはですね腫脹を抑え、細胞の壊死を防ぐことが目的ですね。

二見いすず: 腫脹というのは、腫れるということですね。

桑畑昭洋Dr: 腫れを抑えて、細胞の壊死・細胞が死ぬということを防ぐのが目的です。
15分〜20分患部を冷やしてですね。
感覚がなくなったらはずして、痛みが出たらまた冷やすということを繰り返します。
これは軽傷・重傷によって1日〜3日位の間やることもありますね。
コンプレッションはですね。
患者の内出血や腫れを防ぐことが目的です。
テーピングやパットを当てて、弾力包帯で圧迫するわけですが、あんまり締め過ぎると血行障害を起こしますのでときどき皮膚や爪の色をチェックして下さい。
エレベーションは、腫れを防ぐとともに腫れを軽くすることが目的です。
この状態で速やかに整形外科を受診されることをお勧めします。

二見いすず: RICEというこれを覚えておくと応急処置として役に立ちますね。

桑畑昭洋Dr: そうですね。

二見いすず: はい。
わかりました。
来週、最終週になりますが、一般の暮らしに活かすスポーツ外傷の知識についてお話を頂きたいと思います。
ありがとうございました。

桑畑昭洋Dr: はい。
どうも。

二見いすず: なお、番組では来月のテーマ「婦人病・更年期」についてのご質問・疑問を募集しておりますFAXf099−250−1107番、お葉書の方は郵便番号890−8570、MBCラジオ「ドクタートーク」の係までお送り下さい。
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