二見いすず: 今月は受験生の健康管理というテーマでお送りいたします。
これは、心も体も含めてですが、お話は鹿児島県医師会 大迫政智(おおさこ まさとも)ドクターです。
大迫さんどうぞよろしくお願い致します。

大迫政智Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 大迫さんは精神科医として永年診療にあたっていらっしゃいますが、今回のテーマ「受験生の健康管理」このこともずいぶん大きくかかわってくるところもあるんですね。

大迫政智Dr: 受験というのはとても大きなストレスになります。
ストレスが体に及ぼす影響ということについて昔の人は上手に表現してきたんですね。
例えば、困ったな頭が痛いよ・胃が痛くなるような話をするなよとかですね。
受験というこの大きなストレスに対して、心や体はいろんな変化を起こしやすくなります。
まず、この時期に気をつけることの第一は、なんといっても風邪やインフルエンザですね。
これにかかると体力だけでなくて、気力もなくなります。
インフルエンザに対して最も有効なのは予防接種なんですが、1月になってからではやや手遅れかもしれません。
ですから、これは来年の受験生に対する忠告ということになりましょうか。
インフルエンザかなと思ったら、早めに内科を受診してください。
かかって2日以内だったら有効なお薬もあります。
インフルエンザの予防接種をしても風邪にはかかります。
そこで、風邪をひかないための工夫について少し考えてみますと、第一番目は外出後は必ず手洗い・うがいをしましょう。
第二番目に疲労を溜めないことですね。
そのためには、受験の時刻にあわせて、夜型生活から昼型生活に徐々にかえていきましょう。
自分だけの工夫では、うまくいかないときもあります。
こういうときは、精神科とか心療内科とか専門の先生に相談なさるといいと思います。
三番目は、栄養や食事に気をつけようということです。
特に軽めであっても、朝食を摂るということはとても大切なことです。
脳にも体にも元気が出ます。
また、一日三食、食事のリズムをつくることが夜の質のいい睡眠サイクルをつくることにも繋がっていきます。
それでも風邪をひいてしまったら、そのときに大切なのはゆっくり休むことです。
室温と湿度に配慮して、温かい水分の補給を十分にしながら、休養をとりましょう。
もしも、こじれて長引きそうだったら早めに内科受診をされるのがよろしいと思います。

二見いすず: 風邪はこじらさないことが大切なんですね。
精神科医というお立場からこのほかに何か留意するっていうことはありますでしょうか。

大迫政智Dr: そうですね。
受験というのは、誰でも緊張するものです。
日頃から緊張するとお腹が痛くなったり、頭が締め付けられる感じがしたり、あるいは心臓がバクバクしたりすると、こういう傾向のある方も少なくありません。
このような方は、緊張という心の出来事が様々な体の症状に表れやすい人ということになります。
こういった方は、受験を前にして早めに専門医に相談して、緊張や不安をほぐすトレーニングをしましょう。
場合によっては、お薬の指導を受けることもいいと思います。
とにかく、何しろ一番大切なのは受験当日に心配事を持ち込さないと、そういうことだと思います。

二見いすず: はい。わかりました。
来週どうぞよろしくお願い致します。

大迫政智Dr: こちらこそどうぞよろしくお願いします。

二見いすず: お話は大迫政智ドクターでした。