二見いすず: 今月は受験生の健康管理というテーマでお送りしています。
これは心も体も含めてですが、今週もお話くださいますのは鹿児島県医師会 大迫政智(おおさこ まさとも)ドクターです。
大迫さん今週もよろしくお願い致します。

大迫政智Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 先週まで、受験直前の受験生・ご家族に対しての受験の心構えというようなものをお話いただいたんですが、大迫さんのクリニックにはこういったご相談というのは多いんでしょうか。

大迫政智Dr: 最近、テレビとか小説なんかで精神科や心療内科の医師あるいはカウンセラーというのが登場するのが増えてますよね。
あるいは精神科や心療内科のクリニックが増えてきているということもあると思うんですが、以前よりは心の悩みについて気安く相談できるようになってきたように思います。
そこには、幅広い年齢の方々がみえます。
小学校の低学年から上は80歳代までいらっしゃいます。
悩みも様々です。
最も多いのは、広い意味のうつ状態や不眠症です。
制服で鞄を提げて学校帰りに受診をする高校生とか、恋人と肩を並べて受診する大学生とかあるいは実習中に息苦しくなって駆け込んでくる専門学校生、おねしょの続く小学生の患者さんに母親やおばあちゃんが付いてくること。
あるいは最近多い引きこもりの子供の相談にひとまずご両親だけが相談にみえることいろんなケースがあります。
その中には学校へ行けないとか何もしたくない、居場所がないあるいは拒食症とか手首や腕を傷つけるリストカットの子など若い人も多いです。
そういう方は、本人が悩んで受診するケースもありますし、親が困っているケースもあります。
そういったご相談の流れの中で、受験を前にして受験の問題が上がってくることというのは多いです。

二見いすず: 伺ってますと、その精神科の診療対象というのは本当に幅が広いんですね。

大迫政智Dr: そうですね。
小学校高学年で頭痛・腹痛が起こるようになって、学校を早引きしたり休んだりしがちになった子がいるんですね。
教師から十分な対応を受けられないことに反発しちゃった親が、あっちこっち病院を回っても何にも異常がなくて困ったあげく受診した小児科で勧められて精神科クリニックを受診した子がいました。
この子はもともと目標に向かって精一杯努力を続ける子でした。
そのために心と体の緊張がほぐれないまま、頑張ろう・頑張ろうと気を張り詰め続けてきたんですね。
そのために心のエネルギーを使い果たしかけて、つまりうつ状態と自立神経失調症状を表したそういう状態だったんです。
こういう説明をしたら、病気だって説明を受けてホッとしたとこの子は涙目になっていました。
他には汗っかきがひどくてそれが気になって授業に出られない。
皮膚科・内科で受診したんですが、程度の問題だ、気の持ちようだといわれ続けて、最後に受診した大学生とか。
こういう子たちは広い意味でのうつ状態です。
休養とお薬とそれから周りの人々の理解とで改善していきます。
こういう中で受験に関する相談が出てくるんですね。

二見いすず: 目に見える形のものの、その症状の奥にやはり心のその悩みといいますか、そういったものがあるわけで、早く気づいて専門の先生にみていただくということが大切になりますね。

大迫政智Dr: そうですね。
こじれる前の受診ということが大切だと思います。

二見いすず: はい。
どうもありがとうございました。

大迫政智Dr: ありがとうございました。

二見いすず: 来週もよろしくお願い致します。
お話は大迫政智ドクターでした。
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