2004.2.14
第42回放送分『花粉症』 ゲスト:江川俊治ドクター


二見いすず: 今月は花粉症についてお聞きしています。
お話は鹿児島県医師会の江川俊治(えがわ としはる)ドクターです。
今週もよろしくお願い致します。

江川俊治Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 今日はまずどうして花粉症は起こるのかということをお話いただけますでしょうか。

江川俊治Dr: 話が少し難しくなりますけども、アレルギーを起こしやすい体質をもっている人が長い間花粉を吸い続けますと、ある種の物質というものが体の中に出来てきます。
難しくいいますとこれを抗原といいますが、この抗原に対して特別のタンパク質が体の中に出来ます。
この状態を抗体といいますが、この抗体の量が次第に増加して、ある一定の量に達したところで再び抗原が入ってきます。
花粉症の場合は花粉ですけどもこれが体の中に入ってきますと抗原と抗体が反応を起こします。
この時にヒスタミンという物質が出来まして、これが神経に作用してくしゃみ・鼻水・鼻づまり、即ち花粉症を起こすわけです。

二見いすず: では、その花粉症になりやすい人というのはいるんでしょうか。

江川俊治Dr: 花粉が多く飛んでいる地域に住んでいる人が花粉症になりやすいのは当然のことですけれども、花粉を吸った人がすべて花粉症になるわけではありません。
同じ地域に住んでいても花粉症になる人とならない人がいますが、この花粉にアレルギーのある人だけが過敏に反応を示して花粉症になるというわけです。
両親や兄弟に花粉症とか喘息があると花粉症にかかりやすいという遺伝的な素因もあるといわれております。
田舎に住んでいるときは全く異常がなくて、都会に出てきて花粉症になったという人もおられると思いますが、花粉症はもちろん花粉が原因で起こりますけど、これと関連して黒煙をあげる工場の大気汚染とかディーゼル車からの排気ガス、栄養・ストレス、そういうものも花粉症を引き起こす誘因となります。
また、都会に出てこられてハウスダストとかあるいはダニとかそういうものが原因で起こるアレルギー性鼻炎になりますと症状が全く似ておりますが、花粉症は花粉が原因で起こりますので、混同しないようにしていただきたいと思います。

二見いすず: では、花粉症の症状を詳しく教えて下さい。

江川俊治Dr: 花粉症の典型的な症状はくしゃみ・鼻水・鼻づまりですが、目がかゆいとか涙が出る、頭が重い、体がだるいというような全身症状も起こりますけども、すべての症状が出るとは限りません。
風邪と大変似ていますが風邪は熱がありますし、のどが痛いし、せきが出ます。
安静にすれば1〜2週間で治りますけれど、花粉症は熱が出ることやのどが痛いことやせきがでることはありませんが、花粉のシーズン中、くしゃみ・鼻水・鼻づまりの症状が続きます。

二見いすず: はい。
わかりました。
来週また続きを江川さんよろしくお願いいたします。

江川俊治Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: お話は、鹿児島県医師会の江川俊治ドクターでした。