二見いすず: | 今月は花粉症についてお聞きしています。 お話は鹿児島県医師会の江川俊治(えがわ としはる)ドクターです。 どうぞよろしくお願い致します。 |
江川俊治Dr: | よろしくお願い致します。 |
二見いすず: | さて、今日はまず花粉症になってしまったらということでお話いただけますでしょうか。 |
江川俊治Dr: | 花粉症の原因とか症状の強さは、個人によって違います。 このために、自分が何が原因で花粉症になったかということを知ることが必要になります。 この検査には皮膚テストと血液検査があります。 皮膚テストは腕に極く浅く針の先で傷を付けてその上に原因と思われる抗原のエキスを滴下して反応を調べます。 約20分くらいで結果がわかります。 血液検査は少量の血液を採取して検査します。 1回採血しますと何種類もの原因を調べることができますが、結果がわかるのに数日かかります。 このようにして原因となる花粉を調べ、原因がわかればその症状にあわせて有効な薬を選ぶことが出来るわけです。 |
二見いすず: | まず、検査をして原因を調べるということですね。 |
江川俊治Dr: | そういうことです。 |
二見いすず: | さて、今は花粉症治療のためのいいお薬というのはあるんですか。 |
江川俊治Dr: | 花粉症の薬というのは色々種類がありますが大きくわけますと、抗アレルギー剤と抗ヒスタミン剤にわかれます。 抗アレルギー剤は、アレルギーが起こるのを防ぐ働きをする薬ですので、アレルギー反応が起こってから飲んでもすぐには効果は現れません。 花粉症になる2週間くらい前から飲んだ方が効果的です。 抗ヒスタミン剤はくしゃみ・鼻水を起こす原因となるヒスタミンが神経に辿り着くのを防ぐ働きをする薬です。 花粉症になってから飲んでも効果がありますが、眠くなったり、口が乾燥したりすることがありますので注意をして下さい。 鼻に直接噴霧する点鼻薬という薬がありますが、アレルギーを抑える作用のある点鼻薬と血管を収縮させることで粘膜の腫れをやわらげる点鼻薬の2種類があります。 症状が強いときは有効ですけども、必要以上に噴霧しますと逆に鼻づまりの原因になりますので気をつけていただきたいと思います。 |
二見いすず: | それから江川さん、体質を変えるというような治療もあるということですね。 |
江川俊治Dr: | もって生まれた体質を変えるということは非常に難しいことですので容易にかわるものではありませんけれども、アレルギーの体質を治す治療を減感作療法といいます。 具体的には杉などの抗原物質これは、化学的に精製されたものですけども、これを少量ずつ定期的に何回も分けて皮下に注射しますと何回も注射するということによって、体が抗原になれてアレルギーの症状を起こさなくなってきます。 全ての人に効果があるわけではありませんが、症状のない時期からはじめまして、数年にわたる根気のいる治療ですので問題点もありますが、現在行われている唯一の根本的な治療だといわれております。 |
二見いすず: | お話は、鹿児島県医師会の江川俊治ドクターでした。 ありがとうございました。 このコーナーでは、来月のテーマ「生活習慣病」についての疑問やご質問を募集しています。 FAXは099‐250‐1107番、お葉書は郵便番号890‐8570、MBCラジオ「ドクタートーク」の係りまでお送り下さい。 MBCラジオと鹿児島県医師会のホームページからもアクセスできますので、こちらもどうぞご利用下さい。 |