2004.3.6
第45回放送分『生活習慣病』 ゲスト:瀬戸山史郎ドクター


二見いすず: 弥生3月、季節は春に向かって動き始めています。
毎年繰り返される自然の営みには感心させられますが、今月は毎日繰り返すことが原因で起こる病気『生活習慣病』について伺って参ります。
お話は鹿児島県医師会の瀬戸山 史郎(せとやま しろう)ドクターです。
瀬戸山さんよろしくお願い致します。

瀬戸山史郎Dr: どうぞよろしくお願い致します。

二見いすず: 昨年に次いで2度目のご出演なんですが、まず生活習慣病を今月は取り上げますがこれは以前は成人病と言われていましたよね。

瀬戸山史郎Dr: 成人病というのは40歳から60歳代の働き盛りの人に多い病気ということで言われていたんですが、ただこの成人病は、40歳前後になったら急に出るというのではなくて、やはりそれが発症したり進行するには子供のころからの食習慣・運動習慣ですね。
それが大人になって、お酒を飲んだり、タバコを飲むという生活習慣が加わって起こるということで、『平成8年度公衆衛生審議会』という会議で、生活習慣病と改められたわけです。

二見いすず: はい。
わかりました。
その生活習慣病ですが、やはり原因は日頃の生活にあるということだと思うんですが、具体的にはどのようなことが引き金になるんでしょうか。

瀬戸山史郎Dr: 生活習慣病の危険因子というんですが、内臓に脂肪が過剰に沈着するのは内臓脂肪型肥満と言います。
これが基になりまして、糖尿病・高脂血症・高血圧が発症するわけですね。
この4つを総称しまして、今では内臓脂肪症候群あるいはもっと怖い言葉でいいますと、死の四重奏といいまして、これにストレス・喫煙・過度の飲酒が加わって、今多い脳卒中・心臓病がでるわけですね。

二見いすず: やはり、寝たきりや痴呆の方々の原因もこれにあると考えられるんでしょうか。

瀬戸山史郎Dr: はい。
鹿児島県では、寝たきり痴呆老人が2万ちょっといるんですけど、そのうちの4割近くの死の四重奏から起こる脳卒中が原因で寝たきり・痴呆になっているわけです。

二見いすず: そして糖尿病も増えてきているということですね。

瀬戸山史郎Dr: 高血圧が現在3,400万人、高脂血症2,000万なんですが、糖尿病がどんどん増えまして、平成12年度では1,620万だと、6人に1人が糖尿病だということになっております。

二見いすず: これも大変気がかりなことですね。

瀬戸山史郎Dr: そうですね。

二見いすず: そして、先ほどお話のありました内臓脂肪型肥満ですが、これの原因はどういうことでしょうか。

瀬戸山史郎Dr: これはですね。
食べ過ぎです。
それから食べるときに早食い・朝抜き・夜食・間食・まとめ食いですね。
そういった不規則な食習慣と、ジュース・清涼飲料水・お酒の飲み過ぎ、それに今の車の発達でますますひどくなってきた運動不足。
そう言ったものが原因にあげられています。

二見いすず: まさに、生活習慣ということが言えますよね。

瀬戸山史郎Dr: 本当に生活習慣そのものだと思いますね。

二見いすず: 来週も引き続き、生活習慣病についてお話をしていただきたいと思います。
ありがとうございました。

瀬戸山史郎Dr: どうぞよろしくお願い致します。

二見いすず: お話は鹿児島県医師会の瀬戸山 史郎ドクターでした。
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