2004.3.13
第46回放送分『生活習慣病』 ゲスト:瀬戸山史郎ドクター


二見いすず: 今月は『生活習慣病』についてお聞きしています。
お話くださいますのは今週も鹿児島県医師会の瀬戸山 史郎(せとやま しろう)ドクターです。
瀬戸山さんよろしくお願い致します。

瀬戸山史郎Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 先週は生活習慣病の危険因子についてお話をいただきましたが、簡単に先週のおさらいということでお話をいただけますか。

瀬戸山史郎Dr: 先週は糖尿病とか高脂血症・高血圧の危険因子となるのは内臓に脂肪が過剰に沈着した内臓脂肪型肥満だといいましたね。
これの原因はようするに食べ過ぎ・飲み過ぎ・朝食抜き・夜食・まとめ食い等の不規則な食事習慣とそれに運動不足で起こりやすことを述べました。

二見いすず: 気をつけなければいけないことはどういうことでしょうか。

瀬戸山史郎Dr: 結局、内臓脂肪型肥満を解消するためには先ほどいいました、食事習慣を全部改めることが大事。
それよりもっと大事なのは食事だけではこの肥満は解消しないんです。
何が必要かと言いますと、必ず運動をしなさいと言うことです。
その運動ですが、もっとも効果的な運動は有酸素運動。
つまり、酸素を充分吸いながらする運動。
そして、あんまり激しい運動はよくありませんので中位の運動ですね。
これは脈拍で言いますと一番分かり安いです。
138から自分の年齢の半分を引くという、それ位の脈拍の運動ですね。
朝夕30分の1時間行ってください。
これはだいたい1分でやりますと100歩から120歩位の速さです。

二見いすず: 一番身近なウォーキングと考えてよろしいでしょうか。

瀬戸山史郎Dr: はい。
早足歩きですね。
普通のだらだらではなくて、早足をしてください。
これは老若男女だれでもできます。

二見いすず: そしてその他、高血圧で気をつけなければいけないことといいますとどういうことでしょうか。

瀬戸山史郎Dr: これは8割が全部塩の摂り過ぎなんです。

二見いすず: 塩分の摂り過ぎ。

瀬戸山史郎Dr: だから高血圧予防のためには塩分を健康の人では10g以下、高血圧の治療中の人は7gですけど、実は鹿児島県の塩分摂取量は12.6gなんです。
料理が甘辛なんですね。
ですから、是非薄味にして下さい。

二見いすず: 先週糖尿病の患者さんが増えているという気がかりな話もあったんですが、これについてはいかがでしょうか。

瀬戸山史郎Dr: 糖尿病は内臓脂肪型肥満の一番代表的な病気ですが、特に気をつけてもらいたいのは、空腹時の血糖はいいんですが、食後の血糖が高いという自覚症状が全くない人です。
こういうは、心筋梗塞が3倍、脳卒中が1.5倍出るというデータがあるんです。ですから、こういう軽症の方は食後検診を受けて、早く見つけて下さい。
そうしますと、心筋梗塞と脳卒中が防げます。


二見いすず: やはり、その自覚症状がないというのは怖いところですね。

瀬戸山史郎Dr: そうなんですね。
だから、検診というのは自覚症状がない時に早期発見・早期治療に役立ちますので、糖尿病は特に大事ですね。
検診を受けることが。

二見いすず: そして、お酒・タバコについてはいかがでしょうか。

瀬戸山史郎Dr: 昔からお酒は「百薬の長」と言われていますけど、飲みすぎてはまったく何にもなりません。
適量のお酒ですね。
適量といえばどの位かといいますと、これは科学的データがございまして、1日半合程度お酒を飲む人は、全然飲まない人に比べて脂肪率が半分になるんです。
そういうことで、適量のアルコール。
1日半合程度。
ビール小瓶・中瓶1本位ということを言われていますね。

二見いすず: タバコは・・・。

瀬戸山史郎Dr: はい。
タバコはですね。
昔から「百害あって一利なし」という諺があります通りいろんながん、特に肺がん・喉頭がんが非常に高く出ますし、それから虚血性心臓病・狭心症・心筋梗塞がでるんですね。
特に女性にとっては、流産・早産、低体重児といいまして、非常に体重の小さい子が生まれるということですから、タバコは絶対のんではいけないと思いますね。


二見いすず: ありがとうございました。
お話は鹿児島県医師会の瀬戸山 史郎ドクターでした。