2004.3.27
第48回放送分『生活習慣病』 ゲスト:瀬戸山史郎ドクター


二見いすず: 今月は『生活習慣病』についてお聞きして参りました。
最終週です。
お話をしてくださいますのは鹿児島県医師会の瀬戸山 史郎(せとやま しろう)ドクターです。
瀬戸山さん今週もよろしくお願い致します。

瀬戸山史郎Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 生活習慣病に関するお話を3回にわたってお聞きしてきたわけですが、長い人生を元気に過すために気をつけるべきこと。
今回まとめてお話をしていただけますでしょうか。

瀬戸山史郎Dr: はい。
本県は高齢化というのが全国より10年早くくるんですね。
しかも高齢化の進展とともに今後ますます寝たきり・痴呆老人が増えるということが予想されます。
しかも要介護期間というのは、男性1.6年、女性で3.1年と全国平均より長いわけですね。
そういうことで寝たきり・痴呆、最大の原因となる肥満・特に内臓脂肪型肥満とか、糖尿病・高脂血症・高血圧そういった生活習慣病とか、がんをいかに増加させないかというのがこれから大きな課題になると思いますね。

二見いすず: はい。
先週がんの一次予防・二次予防のお話をしていただきましたが、がんの一次予防ということを少し詳しくお話していただけますでしょうか。

瀬戸山史郎Dr: がんの場合、先週二次のことは言いましたけれども、一次予防としましては、やはり食事生活なんです。
発がん予防作用のあるベータカロチン。
これはニンジン・カボチャ・ブロッコリーに多く含まれているんですが、緑黄色野菜ですね。
これを1日120g以上摂りなさいと、その他の野菜も230g以上摂るように心掛けていただきたいと。
それともう一つはビタミンCを多く。
やはり緑黄色野菜と同様に発がん予防作用になる果物。
これは今米国でもやっている、1日200g以上摂りなさいと。
それから大腸がんを予防するためには食物繊維を1日20g以上摂りなさいと。
これもちゃんとした科学的根拠があるわけですね。
その他に、本県では大腸がん・乳がん・前立腺がんの増加と関係がある脂肪の摂り過ぎ。
これも是非抑えてください。
それから胃がんの発病と関係のある塩分も1日10g以下にするということですね。
その他に言われているものが、焦げたものとかカビの生えたものは口にしないようにしましょうということですね。

二見いすず: お酒はどうですか。

瀬戸山史郎Dr: お酒は1日半合程度。
また1合位まではいいと思いますけど。
タバコは絶対吸わないということですね。
それからもう一つ。
がんの場合はストレスが関係してきます。
ストレスがありますとナチュラルキラー細胞という免疫が落ちるんです。
そういうことで、心身ともに充分の休養をとってストレスを溜めないようにするということが大事だと思いますね。

二見いすず: 重ねてのお話になるかと思いますが、最低1年に1回は自覚症状がなくても定期検診を受けるということが大事ですね。

瀬戸山史郎Dr: はい。
検診というのは、早期発見・早期治療。病気が重くならないうちに見つかるわけですから、家族も助かるし、また医療経済も助かるわけですね。
そういう意味で、手遅れにならないうちに何でも病気は早く見つけましょうというのが私たちのモットーなんですね。

二見いすず: 生活習慣病というのは生活習慣を改めることで、自分で出来ることはたくさんありそうですね。

瀬戸山史郎Dr: そうです。
県民一人一人が主役です。
結局、人がやるのではなくて、自分でやらなくてはならないということですね。
是非これを機会に県民の皆さんもまず、自分の生活習慣を見直して運動不足の人は運動をする、食べ過ぎの人は食べ方を改める。
そして検診を長く受けていない人はせめて今年からでも年1回検診を受けていただくということが大事だと思いますね。

二見いすず: はい。
瀬戸山さん4週にわたって貴重なお話をいただきました。
どうもありがとうございました。

瀬戸山史郎Dr: どうも失礼致しました。

二見いすず: 鹿児島県医師会の瀬戸山 史郎ドクターでした。
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