2004.9.25
第74回放送分『子どもと家庭内の虐待』 ゲスト:小野星吾ドクター


二見いすず: 今月は「子どもと家庭内の虐待」について鹿児島県児童総合相談センターの療育指導部長の小野 星吾(おの せいご)さんにお聞きしています。
今週もどうぞよろしくお願い致します。

小野星吾Dr: はい。
よろしくお願いします。

二見いすず: 先週は家庭内での子どもへの虐待の現状ですとか具体的なお話をうかがって大変気が重くなったところなんですが、最終週の今日はその虐待以外の相談についてどのようなものがあるのかお聞かせいただけますでしょうか。

小野星吾Dr: はい。
身体的な障害や発育に関する相談またはそれに対する治療という相談も多いです。
また非行・虞犯といった問題行動に関する相談も多くなっています。
3月・7月・12月にセンターでの一時保護の子どもたちが増えるということがございますが、これの原因はまだわかっておりませんが、こういう時期に問題行動の子どもが増えるということは注意しなければいけないんではないかと思います。
家庭内の虐待の問題ですけど、虐待を受ける子どもたちの家庭を見てみますと夫婦仲が悪かったり、虐待を加える親自身が子どもの時代に虐待を受けていたとかいうことであったりして、結局親が子どもの時代に虐待を受けたという歴史が次の世代の子どもたちに繋がっていくということもございます。
虐待を少なくするには、まずやはり中学校時代・高校前半における母親の意識の大切さの知識とそれから地域が家庭だけでなく地域全体が子育てに援助するというそういう姿勢が虐待を少なくするんではないかと考えられます。

二見いすず: そして、何かあったときに相談を気軽に出来るということも大切なことですね。

小野星吾Dr: そうですね。
遠隔地からこられる方も結構いますので、相談内容等・家庭内実情等教えていただければセンターには宿泊施設等もございますので一時的な相談ならず、ゆっくりした相談体制がとれるんではないかと思います。

二見いすず: そして、直接出向くにはまだ少しためらいがあるというときには、まず電話相談という方法もありますよね。

小野星吾Dr: そうですね。
まず電話を入れていただくのが一番いいのではないかと考えます。

二見いすず: 電話ですと、名前を名乗らなくていいということもありましょうし、顔が見えないということがありましょう。
色んなお話をしていただきましたが、ラジオをお聞きの皆さんの周囲やもしかしてご本人に様々な悩みを抱えていらっしゃる方がありましたら、まずはお電話でご相談下さい。
鹿児島県児童総合相談センターでは“子ども家庭100当番”という電話がございます。
その電話番号は、099−275−4152です。
平日は朝8時半から夕方の5時まで受け付けております。
土曜日・日曜日はお休みですが、ただし緊急の場合はお電話いただきますと担当者に連絡がいくようになっているそうです。
その電話番号は099−264−3003です。まずは是非ご相談いただきたいと思います。
小野さん貴重なお話を4週にわたってありがとうございました。

小野星吾Dr: いえどういたしまして、ありがとうございます。

二見いすず: お話は、鹿児島県児童総合相談センター療育指導部長の小野星吾ドクターでした。
来月は「乳がん」、そして「子宮がん検診」についてお送りする予定です。