二見いすず: 今月は、『冬のスキンケア』についてお話をお聞きしています。
お話しは、鹿児島県医師会の神崎 保(かんざき たもつ)ドクター です。
神崎さん、よろしくお願い致します。

神崎 保Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 先週は、女性の手荒れについてお聞き致しました。
今週は、高齢者の方々のスキンケアということなんですが。
高齢者の方々のお肌のトラブルというのはどんなものがあるんでしょうか。

神崎 保Dr: 非常に多いですね。
高齢者の方は、がんもありますけど、皮膚がカサカサしてかゆくなって、「かゆい、かゆい」という方が非常に多い。
それも非常に困るという方がたくさんおられますね。

二見いすず: やはり、冬場がひどくなるんですね。

神崎 保Dr: ええ。
そうですね。
なぜかといいますと、冬場で空気が乾燥する、冷たくなる、そうすると皮膚の水気が少なくなる。
そうするとそれでかゆくなりますね。
そこで、かゆいですから、引っかくとブツブツが出来て湿疹が出来るとそういうことになります。

二見いすず: やはり、かくとひどくなっていくので悪循環になってしまうんですね。

神崎 保Dr: ですね。
ここで注意しなければならないのは、なぜ、高齢者の方は皮膚が乾燥するかというと、若い方は油ぎっている。
従って、油の膜が皮膚を保護してくれるために、そんなに乾燥しません。
しかし、高齢者になりますと皮膚の表面の油が少なくなってくるために乾燥してくる。
一つ大きく注意しなければならないのはお風呂の入り方ですね。
高齢者の方は、お風呂が好きで、毎日入られる。
これは結構なことなのですが、お風呂に入ったときに石鹸を使いすぎますと石鹸が皮膚の油をとってしまいます。
結果的に、皮膚がますます乾燥してくる。
前回は、手を水につけないようにといいましたけど、今回は高齢者の方はお風呂に入っても石鹸をあまり使わない、それがひとつのこつですね。

二見いすず: でも、汚れているところは気になりますよね。

神崎 保Dr: その通りで、頭とか顔とか手足、外陰部、これは毎日お風呂に入られて、毎日石鹸で洗われても結構です。
しかし、それ以外の場所は、使いすぎますと駄目なので、週に3回くらい石鹸で洗う。
従って、全身を石鹸で洗うのは週に3回で十分だということですね。

二見いすず: お年よりは、お風呂が好きで毎日お入りになって、きれい好きで、一生懸命ゴシゴシ洗ったりということは、知らず知らずのうちに皮膚を傷めるというこですね。

神崎 保Dr: その通り。
その通り。
だからお風呂に入って楽しみながら、気持ちがいいですし、精神的にもいいですし。
皮膚にいいためには、今度は逆に石鹸はあまり使いすぎないということになりますね。

二見いすず: やはり、空気が乾燥する冬場。
お肌にあまりよくないということですね。
はい。
わかりました。
神崎さん、お話ありがとうございました。

神崎 保Dr: どういたしまして。

二見いすず: 鹿児島県医師会の神崎 保(かんざき たもつ)ドクターにお話をお伺いました。