2005.3.26
第100回放送分『眼の病気』 ゲスト:鮫島基泰ドクター


二見いすず: 『眼の病気』をテーマにお送りしています。
お話は鹿児島県医師会の鮫島基泰(さめしま もとやす)ドクターです。
鮫島さん、よろしくお願い致します。

鮫島 基泰Dr: はい。
よろしくお願いします。

二見いすず: 色々な目の病気について伺って参りましたが、最終週の今日は加齢黄班変性そして緑内障という病気について伺いたいと思います。

鮫島 基泰Dr: はい。
特に注意して欲しい眼の病気として、加齢黄斑変性、緑内障についてお話ししたいと思います。

二見いすず: はい。
加齢黄班変性というのは実は私は初めて聞いたんですが、どんな病気ですか。

鮫島 基泰Dr: はい。
加齢黄斑変性は、目の奥の光を感じる、一番大事な網膜の中心部が冒される病気です。
加齢ということからもおわかりのように、通常60歳以上の人に多くみられ、物を見る時、中央の一部がゆがんで見え、やがて中心が見えなくなる病気です。
進行が遅いので自覚しにくく、見えない範囲が大きくなったり、ある時急に見えにくくなって気付くことが多いようです。
アメリカやヨーロッパに多く、わが国でも急激に増加しています。
早期発見のためには、時々片目ずつ見え方をチェックすることが大切です。
また黄斑変性になりやすい状態が発見される事がありますので、50歳以上になりましたら、1年毎の眼科定期健診をお勧めします。
予防にはまず禁煙が第一で、紫外線を避けるためにサングラス等をかけます。
次に抗酸化作用のある食品、たとえばビタミンCとかEを多く含む食品や緑黄色野菜を多く摂るなど、バランスのとれた食生活を心掛けてください。
最近はこの病気の初期でしたら、光力学療法という有望な治療法が開発され、注目を集めています。

二見いすず: では、次に緑内障についてお願いします。

鮫島 基泰Dr: 緑内障は40歳以上の約4%が、り患していると推定されています。
白内障と並んで中高年の代表的な目の病気です。
目の眼圧がその人にとって望ましい、健常眼圧よりも高い等の理由で目の視神経が侵され、見える範囲、つまり視野が欠ける疾患です。 
日本には200万人以上の患者さんがいると推定されています。
40歳を過ぎましたら、1年に1回は、眼科で定期検査を受けて下さい。
血縁者に緑内障の患者さんがいる方は特に注意が必要です。
緑内障は早期に発見し、早くから治療を受けますと、失明に至らず視力を保つことができます。

二見いすず: この緑内障は、正常な眼圧でも起こる緑内障も多いということですので、やはり一年に一回は眼科で定期検査を受けていただくことをお勧め致します。
鮫島さん、4週にわたってお話をいただきありがとうございました。

鮫島 基泰Dr: どうもありがとうございました。

二見いすず: お話は鹿児島県医師会の鮫島基泰(さめしま もとやす)ドクターでした。