2005.4.16
第103回放送分『漢方』 ゲスト:徳留一博ドクター


二見いすず: 『今月は『漢方』をテーマにうかがっています。
お話は鹿児島県医師会のとくどめ かずひろドクターです。
徳留さん、今週もよろしくお願い致します。』

徳留 一博Dr: 『はい。よろしくお願いします。』

二見いすず: 『今日はどんなお話していただけますでしょうか?』

徳留 一博Dr: 『はい、本日は『女性と漢方』というテーマでお話ししたいと思います。
二見さんは、中将湯や実母散という薬の名前をご存じですか?』

二見いすず: 『はい、昔母が飲んでいたような記憶があります。』

徳留 一博Dr: 『そうですか。
これは、『血の道』という症状を改善する女性のための漢方薬です。
女性は初経から閉経まで、約40年間月経と付合います。
この間に妊娠、出産もあり、何のトラブルなく過ごせる人は少ないでしょう。
月経には卵巣だけでなく、脳や副腎からのホルモンも関係しており、女性の身体を調節しています。
女性は、年齢の変化やストレスなどで、ホルモンの変化が起こり、様々な症状が引き起こされます。
今回は、月経困難症と更年期障害を例にお話ししましょう。』

二見いすず: 『はい。
月経困難症、更年期障害。
良く耳に致しますが具体的にはどのような症状があるんでしょうか?』

徳留 一博Dr: 『はい。
月経困難症は、月経時に程度の差はあるのですが、下腹部の痛みなど症状の強いものを言います。
他にも頭痛や腰痛、倦怠感、吐き気、などの症状を伴います。
また生理前1週間くらい前から情緒不安定やうつ状態など精神症状が起こる『月経前緊張症』というものもありますこれらは若い女性に起こりやすいです。
また、更年期とは卵巣から女性ホルモンの分泌が減って、月経不順から無月経になる時期です。
女性ホルモンが減ってきますと肩こり、頭痛、冷え、のぼせ、不眠、イライラなどのたくさんの症状がでてきます。
これを『更年期症状』といいます。
このような症状が強いと日常生活をおくるのも大変になってきて『更年期障害』と呼ばれる状態になります。
月経障害、更年期障害に有効な漢方薬は『トウキ、センキュウ、トウニン、ボタンピなどを含んでおります。
このような生薬は子宮から卵巣のあたりをぬくめ血液循環をよくして生理痛などを軽くしていきます。
代表的な漢方薬はトウキシャクヤクサン、ケイシブクリョウガンです。
このような漢方薬を続けておりますと生理が規則正しくなり、生理痛が軽くなっていきます。
そして肌が整い、お化粧ののりも良くなってきますので、女性の若さを保つ薬といえます。』

二見いすず: 『はい。
女性と漢方というテーマでお話を頂きました。
古くから愛用される漢方薬には、しっかりとした裏づけがあるようです。
女性にも漢方というのは優しいんですね。
徳留さん、お話ありがとうございました。
来週も引き続きお願いします。』

徳留 一博Dr: 『はい、ありがとうございました。』

二見いすず: 『お話しは、鹿児島県医師会の とくどめ かずひろ ドクター でした。