2005.4.23
第104回放送分『漢方』 ゲスト:徳留一博ドクター


二見いすず: 『今月は『漢方』をテーマにお聞きしています。
お話は鹿児島県医師会のとくどめ かずひろドクターです。
徳留さん、今週もよろしくお願い致します。』

徳留 一博Dr: 『はい。よろしくお願いします。』

二見いすず: 『先週は漢方は、女性の血の道に大変有効だというお話しを先週伺いました。
今日はどのようなお話ですか?』

徳留 一博Dr: 『はい、本日は『痛みと漢方』というお話しをしたいと思います。
みなさんは、ウォーキングのし過ぎや、週末の行楽の後で、腰や膝が痛んだりしたことはありませんか?中にはMRIで検査を受けたが、異常なしと言われたものの、痛みは続いているという方もいらっしゃる方もいらっしゃると思います。』

二見いすず: 『ということは、他に原因があるという事なんでしょうか?』

徳留 一博Dr: 『はい。そうですね。
骨折やヘルニアなど原因が明らかな時は現代医学の治療の範囲に入りますがはっきりした原因がつかめずに痛みが続いている時には漢方治療が有効です。』

二見いすず: 『漢方治療が、痛みに効くというお話しですが、具体的に教えて下さい。』

徳留 一博Dr: 『はい。
漢方では、痛みを引き起こしている原因、きっかけを漢方的に考えていきます。
例えば湿度の高いところに長くいたとか、夏の強い陽射しのもとで働いた後、痛みが起こったからなどを参考にして考えていきます。
そして痛みに悩んでいる患者さん自身の体質、例えば、汗かきとか寒がりかどうかなどを考えて治療していきますので効果をあげることができると思います。』

二見いすず: 『例えば、徳留さん、女性の年齢が高くなりますと膝が痛くて、とおっしゃる方が多いように思うのですが、例えば膝の痛みですとどうですか?』

徳留 一博Dr: 『はい。
膝は非常に患者さんが多いです。
その人の体重を支えておりますので、農作業や重いものを持つ仕事を続けた方は避けられない病気といえます。
このような膝関節の痛みの患者さんは色白で汗かき、太り気味の婦人が大変多いです。
汗かきという状態を体の中の水分が上手に使えない、水の異常と考えます。
このような人が湿度の高いところで作業したりすると、水の異常に加えて『湿』が加わり痛みが起こってきます。
また、寒いところで長く立ったり歩いたりしますと水の異常に加えて『寒』が加わり痛みが起こりやすいのです。
このようにして起こった膝の痛みには体や膝から余分な水分を取り除き痛みを取り去る作用のある生薬が入ったボウイオウギトウなどの漢方薬を使っていきます。』

二見いすず: 『単純に痛みといいましても患者さんのそれまで過ごしてきた環境ですとかその方の体質なども大きく関わってくるということなんですね。』

徳留 一博Dr: 『はい。そうです。』

二見いすず: 『はい。分かりました。
どうもありがとうございました。
とくどめ かずひろ ドクター でした。』