2005.5.14
第107回放送分『五月病』 ゲスト:竹元隆洋ドクター


二見いすず: 『今月は『五月病』をテーマにお聞きしています。
お話しは、鹿児島県医師会の たけもと たかひろ ドクター です。
竹元さん、今週もよろしくお願い致します。』

竹元 隆洋Dr: 『よろしくお願いします。』

二見いすず: 『竹元さん、大人だけでなくて子どもさんにも同じような状況で五月病ということで表れることがあるんでしょうか。』

竹元 隆洋Dr: 『そうですね。
やはり先週にお話しましたが親子関係の問題というのがありますので小さい子どもさんにも同じような似たような症状というのがでてきます。
例えば、高学歴社会ですから、勉強だけしていればいいというような育て方、ついつい甘やかしになったり過保護になったりします。
そうなるとしつけだとか、あるいは規律だとかというようなもののしつけ教育がうまくできない。
子どもは好き放題となりますね。
そういったことで子どもが成長していきますと親の言う通りにしていればいい。
あるいはそこには親離れ、子離れができない関係が出てきたりします。
そういうことで、主体性というものがなかなかできにくいわけですね。
『母子分離不安』という言葉を使いますけれどもあるいはそれは『母子一体』という言葉を使ってもいいんですが、自立できない。
ということですね。
ですから、学校に行っても学校で『母子分離不安』、お母さんがどこかへ行ってしまうのではないか、というような不安とかですね、そういうものから学校に行くことに不安がってみたり、あるいは保育園に行くことを不安がってみたりそういふうなことが起こりやすいですね。』

二見いすず: 『お母さんとの関係が起因するところが大きいということがあるんですか?』

竹元 隆洋Dr: 『はいそうですね。
お母さんとの関係があまりにも一体化しすぎる。
そして中間との関係よりも親子の関係が母子関係が非常に強力すぎる。
そこでいわゆるコミュニケーションスキルといいますけれども、コミュニケーションの仕方が分からない子どもになってしまう。
そういうふうな形で成長していくととても問題が大きくなっていくということですね。』

二見いすず: 『では、その親御さんとして気をつけることがあればアドバイスをお願いしたいんですが。』

竹元 隆洋Dr: 『まずその子どもに対してあまり過度な期待をかけない、ということ、そして甘やかしたり、過保護にしてぐうたらにしてはいけないということともう一つは期待が支配にならないようにするということですね。
子どもの自由を奪っていって子どもがのびのびと成長できないような育て方をすると子どもは主体性を失いますし、無気力、無感動そして何もやる気がないそういう子どもになってしまう。
だからもっと自由にのびのびと育てることが大切だということになります。』

二見いすず: 『愛情をたっぷり注いで育てることは大切なんですが、それはやはり少し考えなければならない部分もあるということですね。』

竹元 隆洋Dr: 『そうですね。
いき過ぎないということですね。
子どもの主体性を考えていくということですね。』

二見いすず: 『はい、わかりました。
来週もよろしくお願い致します。』

竹元 隆洋Dr: 『よろしくどうぞ。』

二見いすず: 『お話しは、鹿児島県医師会の たけもと たかひろ ドクター でした。』