2005.5.21
第108回放送分『五月病』 ゲスト:竹元隆洋ドクター


二見いすず: 『今月は『五月病』をテーマにお聞きしています。
お話しは、鹿児島県医師会の たけもと たかひろ ドクター です。
竹元さん、今週もよろしくお願い致します。』

竹元 隆洋Dr: 『よろしくどうぞ。』

二見いすず: 『先週、子どもの五月病ということでお話しいただきましたが今日は大人の場合についてお聞かせ頂きたいと思います。』

竹元 隆洋Dr: 『はい。
大人の場合といいますか、高校生から大学に入った時期にはいわゆる本来の五月病としての大学に通わなくなる、引きこもってしまうというようなタイプともう一つは出社拒否という問題があります。
新入社員の問題、あるいは配置転換、転勤とかですね、そういったときにちょうど五月の頃になって出社しなくなるというような。
そういうのは一般に『荷下ろしうつ病』というものもあって、一仕事済むとほっとして荷下ろしをしてうつの状態になるとかですね、あるいは燃え尽き症候群というのがありますね。
そういったものに近いものなんですね。
そこで不安感が強くなってみたり、うつ状態になってみたりということがありますね。』

二見いすず: 『最近では、フリーターのように定職に就かないけど仕事はしている人々と違って、働く意志を持たない『ニート』と呼ばれる人々が増えているとも言われますが、何か関係あるんでしょうか。』

竹元 隆洋Dr: 『そうですね。
やはり最近ニートというのはいろんな統計がございますけれども20万人いるだとか、100万人いるだとかというようないろいろな統計がございますね。
これは昔、ヒッピーというのがありまして社会の中に属さない、一つの社会集団というのはその人の個人の自由を奪うこと、規則というのがございますので、その人の自由を奪うという面があります。
だからそれを非常に嫌がるんですね。
いわゆるコミュニケーションスキルがまたでてきますけれども、コミュニケーションの仕方がよくわからない子どもが非常に増えていますので、その集団、社会の中で一緒に活動することがとっても苦手な子どもたちが今続々と出てきているという状況なんですね。』

二見いすず: 『ニート、根っこの部分では五月病のその原因につながるところがあるんでしょうか。』

竹元 隆洋Dr: 『それはやはりあります。
まさに自分が見えなくなっている。
ロボットみたいになって親の育て方の問題でありますけれども、親が支配するような育て方をしていきますと主体性、自発性が失われていって何をしていいか分からない、というような自分が何者であるかも分からないとなると、目標が見えなくなりますね。
そうすると何をしていけばいいのかが見えなくなる。
そういった問題で一体自分は何をして生きていけばいいのかというのが見えなくなっていく状態だと思います。』

二見いすず: 『解決の糸口は必ずあろうかと思いますのでまた来週お話をお願い致します。』

竹元 隆洋Dr: 『はい。』

二見いすず: 『お話しは、鹿児島県医師会の たけもと たかひろ ドクター でした。』