2005.7.23
第117回放送分『性感染症』 ゲスト:内村 道隆ドクター


二見いすず: 『今日から3週に渡って『性感染症』についてお聞きします。
さて、今年発表されたデータによりますと、2005年4月3日現在、我が国のエイズ患者数は3,336人、エイズ感染者は6,734人と報告され、患者・感染者をあわせた数は1万人を越えました。
感染者・患者は20代〜30歳代を中心に増加しているということです。
今回は『性感染症』をテーマに、安易で無防備な性交渉などが引き起こす、感染症の種類や症状について、そして最終的にはそれらが原因で感染するエイズ等の恐ろしさについても伺っていこうと思います。
お話しは、鹿児島県医師会の産婦人科がご専門の内村 道隆ドクターです。
まず、この性感染症の鹿児島県での実態について、内村さんにお聞きしました。』

内村 道隆Dr: 『鹿児島大学の川原先生が発表された、鹿児島県内16の医療施設における毎年の性感染症患者報告数の資料によると、平成15年度は平成14年度に比べて、10.3%増加しているとのことです。
これは性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウィルス感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症の患者報告数ですが、いずれも増加しており特に平成15年度は全疾患が平成14年度よりも増加していて、中でも性器クラミジア感染症が飛び抜けて増加していたということが特徴と言えます。
また、性器クラミジア感染症と淋菌感染症の患者数が、全国平均を超えたことも見落とせません。
私をはじめ産婦人科医が外来でよく目にする症状はいろいろありますが、もっとも多いのは性器クラミジア感染症です。
外来には、ご結婚されて妊娠した方はもちろんですが、近年は女子高校生や時には女子中学生の方も来院されています。
特別な例を除けば、特定のパートナーとの性交渉だけなら、まず性感染症に罹ることは少ないのです。
暴行などによって、性感染症に感染するという悲劇的なケースもありますが、多くは不特定多数の異性または同性との性交渉が原因で感染していることが現状です。
今回のようなテーマでお話しする機会を戴きましたので、性感染症の実態、中でも増加傾向にある未成年者の現状についても、お話ししてみようと考えています。』

二見いすず: 『今回は、夏休みということもありまして、このテーマを選んだわけですが、お話しいただいたように、大人としての身体になりきっていない中学・高校生の性感染症の発症が増加しているという現状にも大変驚かされます。
この続きは来週のこの時間にお送りします。
是非ご家族ご一緒にお聞き戴ければと思います。
お話しは、鹿児島県医師会の産婦人科医『うちむら みちたか』ドクターでした。』