2005.8.13
第120回放送分『熱中症』 ゲスト:年永 隆一ドクター


二見いすず: 『今日から3週に渡って『熱中症』についてお聞きします。
お話しは、鹿児島県医師会の年永 隆一(としなが りゅういち)ドクター です。
年永さん、よろしくお願いします。 』

年永 隆一Dr: 『はい、よろしくお願いします。』

二見いすず: 『年永さんは外科医ということですが、今回のテーマ『熱中症』のご専門でもいらっしゃいます。
さて、まだまだ暑い日が続いていますけど、今日はまず熱中症というのはどのようなものかについてお話し頂けますか?』

年永 隆一Dr: 『わかりました。
熱中症と言っても、ピンと来ない方もいらっしゃると思います。
一般的には『日射病』という名前が一番よく使われています。
みなさん方も覚えがあると思いますけど、夏の暑い日、朝礼などで長時間立ったままでおりますと、貧血がおこって倒れてしまうことがありますね。
これが初期の熱中症ございます。』

二見いすず: 『確かに、学生時代そんなことがよくあったように思いますが、そのころは熱中症だという意識は全然ありませんでした。
それが大変な症状にもつながりかねないということなんですね?』

年永 隆一Dr: 『そうですね。
軽度なものを日射病と呼んでいまして、これがひどくなるにつれ『熱射病』という状態になります。
これは40℃以上の熱がでたり、ひどい脱水症状や、多臓器不全という重体な症状をおこしまして、後遺症が残ったり、最悪の場合亡くなられることもある、大変恐ろしいものです。』

二見いすず: 『暑いからちょっと貧血がおきたというような軽いことではないわけですね。
鹿児島ではこの熱中症というのはどのような傾向なんでしょうか?』

年永 隆一Dr: 『都市部の方になりますとだいぶ地表の温度がかなり周囲よりも高くなることがございますけれども、これはヒートアイランド現象とも言われておりますけれども、かなり昔からしますと高温の状態が長く続くと言われております。
また夏の陽射しが強くなります、鹿児島では、7月に入ったあたりから既に危険信号が点滅すると考えた方が良いと思います。
7月以降はなるだけ日中の外出は避け、屋内でも通気を良くすること、そして水分と塩分の補給を十分に摂ることなどで予防することが、最低限の対策と言えます。
このためには、スポーツドリンクなどをおとりになるのがいいかと思います。』

二見いすず: 『はい。
熱中症予防によく水分をとっていますという方はよくのですが水分だけではだめで、一緒に塩分もとらないといけないんですね?』

年永 隆一Dr: 『汗でかなりの塩分を失いますのでその分はナトリウムとして補充することが予防のためには必要だろうと思います。』

二見いすず: 『手軽にとれるところではスポーツドリンクなどがいいでしょうというお話ですね?』

年永 隆一Dr: 『はい。
それが一番のおすすめだろうと思います。』

二見いすず: 『はい。わかりました。
年永さん、来週もまた「熱中症」についてお話を聞かせてください。』

年永 隆一Dr: 『はい。わかりました。』

二見いすず: 『お話しは、鹿児島県医師会の 年永 隆一(としなが りゅういち) ドクターでした。』