二見いすず: | 『随分しのぎやすくなり、スポーツに親しむ方も多いこの季節。 今月は、鹿児島県医師会の橋口兼久(はしぐち かねひさ)ドクターをゲストにお迎えして『スポーツ外傷とスポーツ障害』をテーマに伺います。 橋口さん、どうぞよろしくお願いします。』 |
橋口 兼久Dr: | 『よろしくお願いします。』 |
二見いすず: | 『さて、スポーツが原因となって起こる体の不調は、専門的に言いますと「スポーツ外傷」と「スポーツ障害」のふた通りに分けられるそうですね。』 |
橋口 兼久Dr: | 『そうですね。 スポーツ外傷はケガのことです。 スポーツ中に他のプレーヤーとぶつかったり、転んだり、ねじったり、ボールが強く当たるなど、偶発的な事故のため、身体がダメージを受けることです。擦り傷の他、肉離れ、捻挫、打撲、骨折、脱臼、靱帯損傷などの症状があります。』 |
二見いすず: | 『例えば、バスケットボールやサッカーなどをプレイしている時に足首をねじる、走っている時に転ぶ、といったそういう経験は学生時代など多くの方が経験すると思いますね。』 |
橋口 兼久Dr: | 『はい。 そういった偶発的な事故によるものでなく、長期にわたって身体が少しずつダメージを受けておこる故障が「スポーツ障害」と呼ばれるものです。 疲労から過労になり、さらに病気になっていく状態です。 よく知られている「スポーツ障害」では、野球肩、テニス肘、ジャンプを繰り返すことで起こるジャンパー膝などのほか、疲労骨折、慢性の腰痛などの症状があります。 とくに腰痛は多くのスポーツ種目によく見られます。 単なる捻挫や打撲のこともありますが、腰椎分離症、すべり症、腰椎椎間板ヘルニアなど重要な障害がおこっていることもあります。 早めにその原因を解明して、早期に治療を開始することが大切です。』 |
二見いすず: | 『まだ体が成長しきっていない小中学生のうちから、激しいスポーツを繰り返すと、体にとって大きな負担だと言われていますが、やはり、子どもたちには特に配慮が必要なんでしょうね。』 |
橋口 兼久Dr: | 『はい、本人の自覚も必要ですが、子どもさんには特に保護者やスポーツ指導者の方々も配慮していただきたいと思います。 腰痛にしましても小学生によく見られることもございますし、オスグッド病という膝関節の障害は、とくに成長期の子どもさんに多く見られる病気です。 いずれにしましても故障が悪化してしまうと、将来的にもよくない影響が見られますので、早めに専門医に相談をして、本人、指導者、保護者が連携をとりながら、様子をみてほしいと思います。』 |
二見いすず: | 『例えば試合が間近だからとかあるいは周囲に迷惑をかけたくない、というような気持ちで頑張りすぎてしまうこともあるかもしれませんが、そうならないように早めに医師に相談して、治療に取りかかることが大切だと思います。』 |
橋口 兼久Dr: | 『ぜひ、そうしていただきたいと思います』 |
二見いすず: | 『来週は、応急手当と治療についてお話を伺いたいと思います。 橋口さん、今日はどうもありがとうございました。』 |
橋口 兼久Dr: | 『はい。ありがとうございました。』 |
二見いすず: | 『お話は鹿児島県医師会の橋口兼久(はしぐち かねひさ)ドクターでした。』 |