二見いすず: | 『今月は、鹿児島県医師会の橋口兼久(はしぐち かねひさ)ドクターをゲストにお迎えして『スポーツ外傷とスポーツ障害』をテーマにお伺いしています。 橋口さん、今日もよろしくお願いします。』 |
橋口 兼久Dr: | 『よろしくお願いします。』 |
二見いすず: | 『今日は、スポーツ外傷の応急手当と治療についてお伺いしたいと思います。』 |
橋口 兼久Dr: | 『捻挫や打ち身などのケガの場合、まず安静にするということ、それから冷やすということ。 この2点を必ず守って下さい。 すぐマッサージしたり、温めてはいけないということです。 よく見られるのが「突き指は引っ張って治せ」という誤った思いこみですが、実は突き指というのはひと通りではなく、骨折や脱臼、あるいは腱や靱帯が切れていることもあります。 手術が必要な場合もありますので、レントゲン検査もしないで無理に指を引っ張るのは大変危険なのです。 ケガをしたら、慌ててしまいがちなのですが、まずは冷やして安静にして、それから整形外科を受診してください。』 |
二見いすず: | 『突き指をして、学生時代ひっぱていたような気がしますが、突き指といっても簡単に考えてはいけないんですね。 覚えておきたいと思います。』 |
橋口 兼久Dr: | 『それから、擦り傷、切り傷などで皮膚を損傷した場合は、まず傷口を清潔にすることが大切です。 水道水で土や埃を十分洗い流してください。 それから出血がある場合はガーゼ、あるいはティッシュペーパーを数枚重ね、数分間圧迫して、医療機関を受診してください。 市販の消毒薬を漫然と使っていますと、ケガの治りが遅かったり、アレルギーを起こすケースもありますので、注意が必要です。』 |
二見いすず: | 『自己判断で薬を使わないほうがいい、ということですね。 そういった偶発的なケガに比べて、徐々に体にダメージを受けるスポーツ障害のほうは、治療にも時間がかかりそうなんですが、やはり専門医とのコミュニケーションが大切になってくるんでしょうね。』 |
橋口 兼久Dr: | 『はい。 スポーツ障害の場合は、まずレントゲン検査、MRI検査などによって、何が原因で痛むのか、原因を突き止めて、それから原因を取り除くという手順にうつるのですが「練習を止めろと言われたくないから病院へ行かない」、という声や、あるいは自己判断ですべて練習を止めてしまった、というケースを聞きます。 実際には、整形外科などスポーツ専門医に関しましては故障している箇所以外は無理なくトレーニングを続けるよう指導することが多く、その人にあった練習方法も指示するので、何か不調を感じたら、まずは整形外科を受診して何でも相談してほしいと思います。』 |
二見いすず: | 『大きな障害を残さないためにも、早いうちに専門医になんでも相談することが大切だということですね。 では、来週は予防についてお話を伺いたいと思います。 橋口さん、今日はどうもありがとうございました。』 |
橋口 兼久Dr: | 『ありがとうございました。』 |
二見いすず: | 『お話は鹿児島県医師会の橋口兼久(はしぐち かねひさ)ドクターでした。』 |