2005.10.15
第129回放送分 『スポーツ外傷とスポーツ障害』 
       ゲスト:橋口兼久ドクター


二見いすず: 『今月は、鹿児島県医師会の橋口兼久(はしぐち かねひさ)ドクターをゲストにお迎えして『スポーツ外傷とスポーツ障害』をテーマに伺っています。
橋口さん、今日もよろしくお願いします。』

橋口 兼久Dr: 『よろしくお願いします。』

二見いすず: 『今日は、スポーツ外傷やスポーツ障害を予防する上で、どんなことに注意したらよいのか、お話いただきたいと思います。』

橋口 兼久Dr: 『無事是名馬』という諺があります。
ケガをしないのは名馬だ、ということですね。
スポーツ選手もケガをしないことは、競技の実力に入るほど大切なことだと思います。
メジャーリーグに行った松井さんやイチローさんがケガに強いところを見ますと、納得していただけると思います。
二見さん、ケガの予防に一番大切なのは何だと思いますか?』

二見いすず: 『今、お話のあったお二人タイプが全然違うんですが・・・練習量が多いということでしょうか?』

橋口 兼久Dr: 『それももちろん大切なことですが、ケガを防ぐために一番大切なのは、体の柔軟性なのです。
松井さんやイチローさんは、おそらく自主的なストレッチを欠かさないと思うんです。
試合の合間を見てましても、体を動かしているのを見ますよね。
筋肉を鍛えるだけではケガをしやすいので、日ごろから柔軟体操をして、運動前には準備運動、ウォーミングアップですね。
そして最後にはクーリングダウン。
整理運動です。
これを十分に行うということです。
そのほか、自分にあった靴や用具を使う、無茶な練習計画を立てない、自分のコンディションに合わせた練習をする、などの配慮も必要ですね。』

二見いすず: 『皆さんもっと強くなりたい、という気持ちや、周囲の期待にこたえたい、という思いから、つい無理をしてしまうこともあると思いますが、長くスポーツを楽しむためにも、自分の体を大事に使わないといけないですよね。』

橋口 兼久Dr: 『特に競技スポーツの選手は、休んでしまうとレギュラーを外されるのではないか、と思ったり次の試合に出られないと困る、などという焦りから無理をしてしまうケースもございます。
成長期にある子どもさんには、とくに注意が必要だと思います。
いったん損傷が悪化してしまいますと、その後の競技の成績にも響いてきますので、早めにケアして、不具合を感じたら整形外科を受診してください。
選手本人、保護者、指導者、そして整形外科医、場合によっては内科の先生という連携をとりながら、治療にあたっていくことがベストだと思います。』

二見いすず: 『子供さんたちから直接言えない時もあると思いますので周りの大人が気をつけて見守るということも大切だろうと思います。
松井選手やイチロー選手になったつもりで、体のケアについても早め早めに対応していくといいと思います。
来週ですが、知っておきたいスポーツ医学の知識ということで橋口さん、来週もよろしくお願い致します。
今日はどうもありがとうございました。』

橋口 兼久Dr: 『ありがとうございました。』

二見いすず: 『お話は鹿児島県医師会の橋口兼久(はしぐち かねひさ)ドクターでした。』