2005.10.29
第131回放送分 『スポーツ外傷とスポーツ障害』 
       ゲスト:橋口兼久ドクター


二見いすず: 『スポーツの秋にちなみ、鹿児島県医師会の橋口兼久(はしぐち かねひさ)ドクターをゲストにお迎えして『スポーツ外傷とスポーツ障害』をテーマにお送りしています。
橋口さん、今週までとなりました、どうぞよろしくお願いします。』

橋口 兼久Dr: 『よろしくお願いします。』

二見いすず: 『これまで4回にわたって『スポーツ外傷とスポーツ障害』についてお伺いまして、ケガを甘く考えてはいけない、と痛感しましたが、今日はこのテーマの最後ですので、スポーツの良さ、ということについて、スポーツドクターの立場からお話しいただきたいと思います。
いま日本の平均寿命は世界一、ということは皆さんご存じだと思いますが、WHOが発表した、国民の健康寿命でも日本は73.6歳で、世界一だそうです。
健康で長生きを、という点でもスポーツは大事なことなんでしょうね。』

橋口 兼久Dr: 『平均寿命が延びても、健康寿命が延びなければ、本当の人生の楽しみはございません。
ですから、とくに高齢者にとっては生活のなかにスポーツを取り入れるということが、ますます今後重要になってくると思います。』

二見いすず: 『体を動かすということは、年代を問わずイキイキとなりますよね。』

橋口 兼久Dr: 『はい。
例えば、日本体育協会の研究によりますと、高齢者の方でも週に2〜3回、ウオーキングやストレッチなどの運動を一年半以上続けますと、年齢と共に体力が落ちる一般の人に比べ、体力が維持され向上することが分かりました。
したがいまして、医療が必要とされた人であっても体力の維持・回復が可能だということです。
内臓疾患や生活習慣病などのハンディがある高齢者の方であっても、主治医と相談しながら、何が自分に合っているのかを判断して、無理なく楽しめる運動を生活に取り入れることが大切だと思います。』

二見いすず: 『高齢者に限らず言えることですが、現代人は子どもからおとなまで運動不足になりがちですから、意識して体を動かすことは大事ですね。
先週教えていただきました、壁押し運動のストレッチ運動も、運動不足の体には効果的ですね。』

橋口 兼久Dr: 『一番簡単で、だれでもできるのは一日15分以上歩くことです。そのほか、テレビでお相撲観戦される場合もあると思いますけれども、お相撲さんがやっているような四股を踏んだり、蹲踞の姿勢をとったり、仕切りのポーズも、おもしろいストレッチの一つだと思います。
スポーツや生活によるケガを防ぎ、また体力維持のためにも、日ごろからまめに体を動かすクセをつけていてほしいと思います。
ストレッチ法につきましては、お近くの整形外科で、お気軽にお問い合わせいただければと思います。』

二見いすず: 『日ごろから、体を柔軟に保ち、自分にあったスポーツを無理なく続ける、ということが大切だと思います。
体と相談しながらいくつからでも運動できるということですね。
橋口さん、お忙しいところ、5週にわたって貴重なお話をお伺いしました。
どうもありがとうございました。』

橋口 兼久Dr: 『ありがとうございました。』

二見いすず: 『お話は鹿児島県医師会の橋口兼久(はしぐち かねひさ)ドクターでした。』