2005.12.3
第136回放送分『肺がん検診』 ゲスト:瀬戸山史郎ドクター


二見いすず: 『今日から3週にわたって『がん検診』をテーマにお送りします。
今週は鹿児島県医師会の瀬戸山史郎(せとやま しろう)ドクターに『肺がん検診』について伺います。
瀬戸山さん、どうぞよろしくお願いします。』

瀬戸山史郎Dr: 『よろしくお願いします。』

二見いすず: 『瀬戸山さんは鹿児島県民総合保健センターの所長をお務めです。
今日は最近の肺がん事情についてお聞かせいただきますか。』

瀬戸山史郎Dr: 『現在、鹿児島県では肺がんによる死亡者数が肝臓がんとか大腸がんのを上回ってトップなんですね。
そしてその死亡率も全国平均を上回っております。
その一方で、肺がん検診を受ける方が全国平均を下回っておりまして、今わずか16.6%程度ということになっております。
それで、このセンターで実施しているがん検診の予後を見ますと早期がんの発見率が非常に高いのですが、肺がんに関して言えば、早期がんはわずか28%ということで、発見される時点で既に進行がんであるケースが多いわけです。
非常に残念なことだと思います。』

二見いすず: 『進行がんになりますと、なかなか治療も難しいんですよね。』

瀬戸山史郎Dr: 『集団検診で見つかった方が、手術を受けて5年間再発しなかったら5年生存率と言うんですけれども、他のがんは非常に高いんですけれども、肺がんはわずかに4割ということで非常に低いわけですね。
これは、1つ肺がんができる場所って、非常にレントゲンに映りにくいという、「肺野がん」というのがあるんですが、こういうのがありますとやはり、発見されたときはかなり進行しているということが多いわけですね。』

二見いすず: 『そういった見つけにくい場所にできたがんについては、どのような検査があるのでしょうか。』

瀬戸山史郎Dr: 『これは、喀痰中のがん細胞の有無を調べる『喀痰細胞診』という検査方法が非常に有効なんです。
さらに、最近ではみなさんもご承知のCTとかヘリカルCT検査、これはさらに精密になるわけですよね。
最近は肺がん検診だけではなくて結核健診で発見される肺がんも非常に多いわけです。』

二見いすず: 『やはり、年1回の検診がとても大切ということになりますよね。』

瀬戸山史郎Dr: 『そうです。』

二見いすず: 『そして肺がん予防の決め手はやはり禁煙でしょうか。』

瀬戸山史郎Dr: 『はい。
まず、一番禁煙というのが有効なんです。
それからもう1つ。
タバコを吸わない人。
そういう方でもタバコを吸う人の煙を吸いこむ。
これを受動喫煙というんですが、これをしますと出てくるたばこの煙の中に発がん性物質も非常に多いんですよ。
だから肺がんになるリスクが倍近くになります。』

二見いすず: 『そういう意味でも禁煙はやはり是非やってもらいたいと思いますね。
食事なども気をつけて年1回の検診が大切ということになります。
ありがとうございました。』

瀬戸山史郎Dr: 『ありがとうございました。』

二見いすず: 『お話は鹿児島県医師会の瀬戸山史郎(せとやま しろう)ドクターでした。』

瀬戸山史郎Dr: 『こちらこそ、ありがとうございました。』