2005.12.17
第138回放送分『大腸がん検診』 ゲスト:瀬戸山史郎ドクター


二見いすず: 『3週連続で『がん検診』をテーマにお送りしています。
今週も鹿児島県医師会の瀬戸山史郎(せとやま しろう)ドクターをゲストにお迎えしています。
瀬戸山さん、今週もよろしくお願いします。』

瀬戸山史郎Dr: 『どうぞよろしくお願いします。』

二見いすず: 『がん検診についての最終週となる今週は『大腸がん』について伺いたいと思いますが、大腸がんも最近は、増えているということですよね。』

瀬戸山史郎Dr: 『はい、これはですね、最近、大腸がんは増えておりましてもう1つ多いのは前立腺がんと乳癌なんですけれども鹿児島県内で発見される発生部位別で言いますと、男性では4位、女性では、2位になっております。』

二見いすず: 『そうなんですね。
ただ、大腸がんについては、最近、ずいぶん早期発見が可能だとお聞きしますが・・・』

瀬戸山史郎Dr: 『はい。
これはですね、一次検診は非常に簡単。
みなさんの便を調べることで一応チェックできるわけです。
これは便潜血反応といいまして、便の中に混じっている微量の血液をチェックするということで、濃い方が精密検査を受けて、つまり内視鏡検査をするわけですね。
そして見つけるという方式なんですよ。
鹿児島県では特徴的な精密検査を受ける方の率がですね、全国平均を大きく上回りまして9割近くということでこれは全国的にも高い評価を受けております。』

二見いすず: 『非常に負担も少ない検査ですので怖がらずに、やはり受けていただくということが大切ですね。』

瀬戸山史郎Dr: 『早期がんが7割以上も見つかっておりますし、5年生存率も96%ということで非常に予後がいいと。
つまり、完治する可能性の高いがんということになんですね。』

二見いすず: 『分かりました。
予防法としてはどのようなものがありますか?』

瀬戸山史郎Dr: 『これは、大腸がんが増えてきたのは全て食生活の欧米化。
つまり、脂肪の取りすぎなんですよね。
ですから、まずは脂肪を減らすと。
もう1つ大事なのは食物繊維ですね。
これの摂取量が非常に減ったということが原因なんですね。
そういうことで緑黄色野菜。
先ほど言いました全てのがんを予防する作用のあるベーターカロチンの入った緑黄色野菜。ですね。
それと食物繊維をもっとたくさん摂っていただくということが大事だと思います。』

二見いすず: 『食生活とそして検診を受けることが大事だということです。
最初にがん検診の大切さをお話いただきましたが、県民総合保健センターという、県民の命をみつめる現場にいらして、日々どのようなことをお感じになっていらっしゃるのか少しお聞かせいただけますか。』

瀬戸山史郎Dr: 『これまでお話ししてきましたように、いまがん検診を早めに受ける、せめて年一回は受診する、ということをやっておけば、たくさんの方の命が助かる可能性があります。
そういうことで自分の健康は自分で守る、というそういう気持ちでできれば定期的に、例えば年に1回自分の誕生日に受けるといったようなことをしていただくと。
そしてまた自分の食生活に気をつけるということで全てのがんを防げるのではないかと思います。』

二見いすず: 『誕生日にというふうに決めておけば忘れずに検診を受けられますね。
瀬戸山さん、三週にわたって貴重なお話、どうもありがとうございました。』

瀬戸山史郎Dr: 『こちらこそありがとうございました。』

二見いすず: 『お話は鹿児島県医師会の瀬戸山史郎(せとやま しろう)ドクターでした。』