2005.2.12
第94回放送分『受験生の心構え』 ゲスト:大迫政智 ドクター


二見いすず: 今月は『受験生の心構え』というテーマでお聞きしています。
お話しは、先週に引き続き鹿児島県医師会の大迫政智(おおさこ まさとも)ドクター です。
大迫さん、今週もよろしくお願い致します。

大迫 政智Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: さて、先週は受験生のからだに関する注意点などをお話しいただきましたが、今週はどういったお話でしょうか。

大迫 政智Dr: はい今日は、受験生の『心の注意点』についてお話ししたいと思います。
受験当日が近づいてくると、誰でも緊張や不安は強くなってくるものですが「受からなかったらどうしよう」とか、「これまで無駄なことばかりしてきたんじゃないだろうか」などのように、不安感だけでなく、強い苛立ちや落ち込みが伴ってくることがあります。
場合によってはそれだけでなく倦怠感、頭痛、下痢、胃の痛みなどといった自律神経症状も付け加わったりします。
このような状態になるのを防ぐコツをお教えしましょう。
1番目のコツについては前回もお話ししたところですが、規則正しい食習慣と、質の良い睡眠サイクルです。
受験本番に向けて徐々にリズムを作っていくことは、とても大切なことだと思います。
2番目のコツは、上手に深呼吸する練習です。
いわゆるリラクゼーションと言われる方法でも良いし、腹式呼吸でもよろしいです。
要点は、「ゆっくり・大きく・リラックス」と心で唱えながら、毎日5〜6回ずつ練習を続けることです。
心と自律神経が落ち着く最も簡単な工夫だと思います。
第3には、「あれこれ心配しない。なったらなった時。結果は努力についてくる」と、開き直る工夫です。
「やるだけはやった」と考えるのも良い工夫と言えるでしょう。
これと関連して4番目、最後のコツは、直前になって新しい知識を増やそうとしないことです。
知識の数をこれ以上増やそうという意欲は、かえって焦りを誘うことになりかねません。
脳みその中の知識を見やすく並べ換える工夫はそれよりもっと大切だと思います。

二見いすず: はい。
わかりました。
受験の前日の心構えも、あるそうですね。

大迫 政智Dr: はい。
肝心なのは、普段通りに行動することです。
前の夜は、それまで作ったリズム通りに、いつものように床に入りましょう。
もし普段のようにうまく寝つけなくても、いつもの深呼吸をゆっくりしましょう。
最低4〜5時間眠れれば、翌日最低限の集中力は発揮できます。
「やるだけやった」と心で呟きましょう。
当日の朝大切なことも、いつも通りの時刻に起きて、いつも通りに食事をして、少し早めに試験場へ着くことです。
この「普段通りに」という感覚が一番大切です。
試験問題を前にして頭が真っ白になったり、心臓がバクバクしても、「なったらなった時」と心で呟いて、いつもの深呼吸を5回。
自分だけの大切なお守りを持って行くのも良いでしょう。

二見いすず: はい。
いつも通り、普段通りにというのが前の日のキーワードのようです。
ありがとうございました。
この続きはまた来週お願いします。

大迫 政智Dr: はい、わかりました。

二見いすず: お話は、鹿児島県医師会の大迫 政智(おおさこ まさとも)ドクターでした。