2005.3.5
第97回放送分『眼の病気』 ゲスト:鮫島基泰ドクター


二見いすず: 今月は春先に多い『眼の病気』をテーマにお聞きして参ります。
鹿児島県医師会の鮫島基泰(さめしま もとやす)ドクターに伺います。
鮫島さん、よろしくお願い致します。

鮫島 基泰Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 鮫島さんは、眼科のドクターとして長い経験をお持ちでいらっしゃいますが、春先の眼の病気と言いますと一般的にはどのようなものがあるんでしょうか。

鮫島 基泰Dr: そうですね。
この時期はやはりアレルギー性の結膜炎があります。
今騒がれていますスギに代表される花粉症についてお話します。

二見いすず: はい。
お願いします。

鮫島 基泰Dr: スギ花粉にアレルギーを起こす素因のある方は日本人の約7%といわれています。
スギの花粉は風邪に運ばれて数十kmも飛び散るため広い範囲に花粉症にかかる人が出てきます。
スギの他にも春のヒノキ、春から秋にかけてのイネ科植物、秋のキク科植物などの花粉がよく花粉症を起こします。
花粉によるアレルギー性結膜炎の自覚症状は「かゆい」のが特徴です。
炎症がひどくなると結膜の充血も起こります。
眼を強くこすると、「しろめ」の部分が腫れて水が溜まったようになり、外来に駆け込んで来られる方がいらっしゃいますが、通常はそのままこすらないでいると治っていきます。
今年は、スギ花粉症の患者さんにとっては症状が例年よりひどくなるのではないかといわれています。
これは去年の夏の猛暑により、スギの花粉量が多いためです。
ただ、鹿児島では関東等に比べ患者数はそれほど多くはなく花粉の増加率も他の地域ほどは多くないことから、影響は少ないものと思います。
しかし、乾燥した風の強い日には花粉が飛びやすく症状が強くなりがちですから注意が必要です。

二見いすず: 治療法はどのようなものがあるんでしょうか。

鮫島 基泰Dr: まず、花粉の防除には専用のマスクや防護眼鏡等が考案されています。
アレルギー性結膜炎の治療には普通「目薬」が最も使用されます。
即時型反応を抑える目薬は、決められた点眼回数、通常は1日4回を守らないと効果が十分あらわれません。
アレルギー症状の起こる1〜2週間前から予め投与しておきますと、症状が軽くてすみます。
副腎皮質ホルモン、いわゆるステロイド剤は以前からよく使用されていますが、連用すると眼圧が上がり、緑内障を起こす方がいらっしゃいますので、医師の診察なしに使用を続けるのは非常危険です。

二見いすず: はい。
分かりました。
花粉症といいますと大変ポピュラーな感じがありますが、やはり気になる症状があるときには早めに専門医を尋ねて治療することが大切ですよね。
鮫島さん、どうもありがとうございました。

鮫島 基泰Dr: どうもありがとうございました。

二見いすず: お話は、鹿児島県医師会の鮫島基泰(さめしま もとやす)ドクターでした。