2005.3.12
第98回放送分『眼の病気』 ゲスト:鮫島基泰ドクター


二見いすず: 今月は『眼の病気』をテーマにお聞きしています。
鹿児島県医師会の鮫島基泰(さめしま もとやす)ドクターに伺います。
鮫島さん、今週もよろしくお願い致します。

鮫島 基泰Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 鮫島さん、先週はアレルギーからくる眼の病気ということで、花粉症に関してお話をいただきましたが、引き続きアレルギーの病気のお話ですね。

鮫島 基泰Dr: はい。
前回は花粉症のことをお話しましたが、実はもっとも眼のアレルギーの原因になりやすいものはダニなんです。

二見いすず: ダニといいますと、ハウスダストとよくいいますが、あのダニですか。

鮫島 基泰Dr: はいそうなんです。
花粉症は季節性ですが、最近の家は保温が良くなったかわりに通気性が悪くなり、ダニやカビの住みやすい環境になりました。
一年中アレルギーに悩まされる場合、ダニが原因となっていることが多いようです。
このダニは体長約0.2ミリ程度で、人を刺すことはありませんが、ダニは生きていても、死んでいても過敏性のある人の目・鼻・気管支に入りますとアレルギーを起こします。
人の「フケ」を栄養源にしており、人が長時間いるところに繁殖します。
じゅうたん・カーテン・畳などに多数のダニが住み着いています。
目のアレルギーは乳児から老人にまで起こります。
しかし、もっとも目のアレルギーにかかりやすいのは、10歳前後の子どもです。
場合によっては重症型のアレルギーである「春季カタル」にまで進行することがあります。
小児期に発症した人は15歳頃から次第に症状が軽くなり、成人するに従い、ほとんど治ってしまいます。
食事の西洋化に伴い高蛋白、高脂肪のものがたくさん使われるようになりました。
このような食生活の変化は炎症やアレルギーによる病気を起こしやすくするようです。

二見いすず: では、その目のアレルギーを起こさないようにするためにはどうすればいいんでしょうか。

鮫島 基泰Dr: 目のアレルギーの原因になりやすいダニを少なくする方法はまず、部屋を十分に清掃することが重要です。
そして毎日規則正しく行う運動はアレルギーにもよい影響を及ぼします。
家の中にじっとしていないで、余分なエネルギーを発散させて下さい。
自宅では症状が軽いのに、親戚の家、旅館等に宿泊しますと、目の症状が悪くなることがあります。
これはアレルギーを起こすダニが取り除かれていないために起こるようです。


二見いすず: はい。
わかりました。
花粉症は年齢幅が広いようですが、ダニによるアレルギーの症状は10歳前後の子どもさんが中心ということですね。
住まいの掃除は念入りにしたいと思います。
来週またこの続きをよろしくお願い致します。

鮫島 基泰Dr: はい、分かりました。

二見いすず: お話は鹿児島県医師会の鮫島基泰(さめしま もとやす)ドクターでした。