2005.3.19
第99回放送分『眼の病気』 ゲスト:鮫島基泰ドクター


二見いすず: 今月は『眼の病気』をテーマにお聞きしています。
お話は今週も鹿児島県医師会の鮫島基泰(さめしま もとやす)ドクターです。
鮫島さん、よろしくお願い致します。

鮫島 基泰Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 二週にわたってアレルギーが原因で起こる眼の病気についてお話頂きましたが、今日はドライアイというテーマですね。

鮫島 基泰Dr: はい。
目が乾燥することで起こる病気、それがドライアイです。

二見いすず: ドライアイというのは、どんな症状なんでしょうか。

鮫島 基泰Dr: はい。
目の表面にはまふたと涙が存在します。
車に例えますと、ウインドウォッシャー液の働きをしているのが涙です。
普通人の目では、一日に2〜3mlの涙が分泌されると言われています。
ドライアイはいろいろな原因によって涙の量が少なくなったり、本来もっている涙の働きが悪くなったりすることにより、目の表面に傷が出来てしまう病気です。
症状としては、目がゴロゴロしたり、疲れたり、まだたきが増えたり、白目が充血したりします。
全身の病気の一症状としてのドライアイもあります。
シェーグレン症候群などの膠原病、また糖尿病もドライアイを引き起こす病気の一つです。
精神安定剤やその他の内服薬、目薬の種類によってもドライアイが起こることがあります。
ドライアイの方は、コンタクトレンズを装用した場合、目の障害を起こしやすいですので注意が必要です。
冬場の暖房により室内の空気が乾燥致しますと症状が悪化したりします。
夏でもエアコンの風が直接当たるようなところに長時間いますと悪化する原因となります。

二見いすず: はい。
一般的には、ドライアイの治療方法というのはどういったものがあるんでしょうか。

鮫島 基泰Dr: 治療は、軽いドライアイの場合、眼鏡をかけるだけでも、予防効果があります。
あと、少なくなった涙を補充する目的で人工涙液とよばれる涙とよく似た成分の目薬を必要に応じて使います。
化粧品ではよく知られているヒアルロン酸を含んだものが主に使われています。
乾燥感が強く点眼回数が増える場合には、防腐剤の入っていない点眼薬を選択するなどの工夫も必要です。
そして重症のドライアイの場合には、本人の涙を少しでも長い時間目の表面にとどめておくために涙の排水口を閉じてしまう涙点プラグ挿入という治療法もあります。

二見いすず: 治療方法も簡単なものから、点眼薬、そして涙点プラグ挿入という、色々あるようなんですが、やはり早めに専門医を尋ねて治療してもらうことが大切だと思います。
鮫島さん、今週はどうもありがとうございました。

鮫島 基泰Dr: ありがとうございました。

二見いすず: お話は鹿児島県医師会の鮫島基泰(さめしま もとやす)ドクターでした。