2006.4.15
第155回放送分『小児医療』 ゲスト:河野 嘉文ドクター


二見いすず: 『今月は5週にわたって、小児医療についてさまざまなお話を伺っております。
今日も鹿児島県医師会の河野嘉文(かわのよしふみ)ドクターをお迎えしています。
河野さん、今週もよろしくお願いいたします。』

河野 嘉文Dr: 『よろしくお願いします。』

二見いすず: 『先週は、意外と見落としがちな日常生活に潜む危険な事柄についてお話を伺いいたしました。
そこで、今日は、子どもの病気や怪我に関して、私たちが信じている間違った常識などがあれば、お伺いしたいのですが‥。』

河野 嘉文Dr: 『はい。
実は、親御さんたちは、子どもの病気について、結構、間違いと言えなくても、もうちょっと違う考え方をしてほしいなということがよくあります。
例えば、「高熱が出たら脳に影響がある」ということは、多分、多くのご両親が信じていらっしゃるのではないかなと思います。
実は、40度の熱が出ても、脳炎でなければ脳には直接的な影響はないので大丈夫なんですね。
だから、高熱だから重い病気だというわけではないということですよね。』

二見いすず: 『熱が出るということは、その必要があって熱が出ているという、体の中で戦っているということなんでしょうか。
「高熱が出たら脳に影響がある」ということは一概には言えないということですが、ただ、親御さんとしては40度も熱が出ると、心配して慌ててしまいますので、やはり速やかに医療機関に連れていくということが大事だと思いますが、その際に注意することはありますでしょうか。』

河野 嘉文Dr: 『はい。
子供たちが寒がっているように見えることが多いものですから、多くのご両親が厚着をさせてくるんですね。
たくさんくるんでいらっしゃいます。
それでますます熱が下がりにくくなるということが見受けられます。
やはり熱が高いときには薄着にして連れてきてほしいなと思います。』

二見いすず: 『分かりました。
ふるえているので、寒いのかなと思ってしまうのですが、そうではないということなのですね。
そのほかには何かありますでしょうか。』

河野 嘉文Dr: 『はい。
これから暑くなってくるのですが、夏場になりますと、遊戯場などの駐車場の車中に子どもを残したままにしておくようなことが見受けられます。
毎年夏になると車中に放置された子どもさんが、熱中症で死亡したという報道があります。
このような悲惨な出来事がくり返されるのよくないことです。
絶対にそのようなことはしないでいただきたいなと思います。』

二見いすず: 『大人の勝手な理由でこれくらい大丈夫だろうというような考えは絶対にやめていただきたいと思います。
大切な大切な子どもの命を本当に大事に守っていかなくてはいけないですよね。』

河野 嘉文Dr: 『そうですね。
子どもは、将来を担っていく大切な社会の宝ですので、その子どもたちの健康を守る小児医療は、明るい未来への投資でもあるといつも考えています。
ですから、社会全体で子どもたちの命を健やかに育むことをもっと真剣に考えてほしいと思います。』

二見いすず: 『よく分かりました。ありがとうございました。
お話は、鹿児島県医師会の河野嘉文さんでした。
来週は、河野さんが立ち上げられた、こども医療に関するNPO法人についてのお話を伺います。
ありがとうございました。』

河野 嘉文Dr: 『ありがとうございました。』