2006.6.3
第162回放送分『食中毒』 ゲスト:池田 琢哉ドクター



二見いすず: 『六月に入りました。
湿気が多いこの時期は、食べ物も傷みやすく「食中毒」が気になります。
今月は、この「食中毒」について、鹿児島県医師会の池田琢哉(いけだたくや)ドクターにお話を伺ってまいります。
よろしくお願いいたします。』

池田 琢哉Dr: 『よろしくお願いします。』

二見いすず: 『やはり、蒸し暑いこの時期は「食中毒」のシーズンといっていいのでしょうか?』

池田 琢哉Dr: 『最近は、いい冷蔵庫や冷凍庫が普及していますので、一般の方は過信しやすいということがあります。
もう一つは、冷凍された輸入食材が多くなっていることもあります。
また、冬場でも暖房設備の普及で室温が高くなっていることから、年間を通じて食中毒の発生が見られます。
食中毒には、ウイルス性と細菌性のものという大きく2つがあります。
6月から9月・10月にかけては、この細菌性のものが増えてくるということであります。』

二見いすず: 『1年を通じて食中毒の心配はあるのですが、特にこれからのシーズンはご家庭でも注意が必要だということですね。
さきほど、輸入食材についてのお話が出ましたが、これは食中毒とどんな関係があるのでしょうか。』

池田 琢哉Dr: 『輸入食材そのものが悪いと言っているのではありません。
解凍するときに汁が出てきますよね。
そういうものがほかの食材について、細菌が繁殖しやすくなるということです。
そういうものを食べることによって、食中毒を起こす場合もありますよ、ということですね。』

二見いすず: 『解凍する際に注意が必要ということですね。
ところで、鹿児島県の食中毒の発生状況というのはいかがでしょうか。』

池田 琢哉Dr: 『全国では、年間2〜3万人、県内でも例年、年間400〜600人もの届け出があります。
夏場は、細菌性のものが多くて、冬場には「ノロウイルス」などのウイルス性のものが多いようです。』

二見いすず: 『はい、「ノロウイルス」はよく耳にいたします。
では、家庭と外食ではどちらが多いのでしょうか?』

池田 琢哉Dr: 『届出の内訳だけを見ますと、飲食店・仕出し店が多い訳ですけれども、家庭での食中毒は報告されないケースも多いと思われますので、現実はもっと多いと思っています。』

二見いすず: 『ということは、家庭でも食中毒を起こしてしまう可能性が十分にあると・・・。お子さんやお年寄りは特に気をつけていただきたいですね。』

池田 琢哉Dr: 『小さいお子さんやお年寄りの方は、抵抗力が低いですので、場合によっては死に至ることもある訳です。
そういう意味では、非常に注意していただきたいなと思っております。』

二見いすず: :『はい。今は、冷蔵庫が普及し、冷暖房も完備し、1年中食中毒の心配はある訳ですが、特にこれからのシーズンはご家庭で十分気をつけていただきたいと思います。
では、来週の放送で、食中毒の具体的な症状や対策などについて詳しく伺ってまいりたいと思います。
本日のお話は、県医師会の池田琢哉(いけだたくや)ドクターでした。
ありがとうございました。』

池田 琢哉Dr: 『ありがとうございました。』