2006.7.1
第166回放送分『性感染症』 ゲスト:波多江正紀ドクター


二見いすず: 7月になりました。
日ごとに暑さも増し、本格的な夏も間もなくです。
今月は3週に渡り、性感染症について、鹿児島県医師会の波多江正紀(はたえまさゆき)ドクターにお話を伺います。
よろしくお願いいたします。

波多江正紀Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 性感染症というと、どのような病気のことをいうのでしょうか。

波多江正紀Dr: はい。性感染症とは、性交渉を介して生殖器に感染する病気のことを言います。
代表的なものに、「クラミジア」「性器ヘルペス」「淋病」「コンジローマ」「梅毒」「トリコモナス」などが挙げられます。
全身性疾患へ進んでしまうこともあります。

二見いすず: それらの病気はどのような症状が表れるのでしょうか。

波多江正紀Dr: はい。これらの性感染症は、女性の場合を挙げますとおりものが増えたり、イボができたり、炎症を起こしたりします。
特にクラミジアに感染すると、下腹部に痛みを感じたりすることも多くなります。
それ以外の性感染症は、自覚症状がほとんどないというケースも多くあり、感染しても自分が気づかないというパターンも多いようです。

二見いすず: ほとんど自覚症状がないということは気がつきにくくて、発見されにくいということですね。
それはちょっと怖いことですね。

波多江正紀Dr: そうですね。
悪意はなくても、知らず知らずのうちに病気を蔓延させている可能性もあるわけです。
自分自身が不特定多数の人と関わったり、パートナーが不特定多数の人と関わったりしていると、その中に感染症の人が一人でもいれば、連続的に感染してくるということもあり得ます。

二見いすず: なるほど。
最近は性感染症の例というのは、増えているのでしょうか。

波多江正紀Dr: そうですね。
ここ15年くらいで、急激に増えています。
しかも、若い年齢層の特に女性の方に増えています。
特にクラミジアが多いようです。
クラミジアは、炎症が起き、卵管が詰まり、不妊や子宮外妊娠の原因にもなる深刻なもので、もし妊娠して子どもが生まれても、子どもの体に影響を与えてしまう可能性もあります。
性感染症は一般的に考えられているよりも怖い病気だということをしっかり認識していただきたいものです。

二見いすず: 分かりました。
では、鹿児島の現状はいかがですか?

波多江正紀Dr: 以前は、こういった疾患は都会的なものだと考えられておりましたが、現在は全国的に地域差がありません。
性に関する情報も全国的に氾濫し、そういったものの影響を与えているかもしれません。
鹿児島でも全国と同じように、多くの症例が報告されています。

二見いすず: 首都圏などと地域差がなく、鹿児島でも多くの例が報告されているということを伺いますと、本当に驚くんですが、性感染症については引き続き来週もお話をお願いしたいと思います。
ありがとうございました。

波多江正紀Dr: ありがとうございました。

二見いすず: お話は、鹿児島県医師会の波多江 正紀(はたえ まさゆき)ドクターでした。