2006.7.15
第168回放送分『性感染症』 ゲスト:波多江正紀ドクター


二見いすず: 今月前半は、性感染症について、鹿児島県医師会の波多江 正紀(はたえ まさゆき)ドクターにお話を伺っています。
よろしくお願いいたします。

波多江正紀Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 先週、先々週と、性感染症の症状や予防法についてお伺いいたしました。
この性感染症が、若い人の間でも広がっているそうですね。

波多江正紀Dr: そうですね。
10代から20代にかけての例が大変増えております。
若い人たちの性行動が進んでいるというのが原因でしょう。
情報が氾濫する時代において、性に対してのハードルが低くなってしまっている気がします。
性は人生の問題です。
気軽にセックスをして、望まぬ妊娠や性感染症になってしまったとき、体にまた心に残る影響の大きさについても考えてほしいものです。
実際に、夏休みが終わり、秋口になると、感染ばかりでなく若年者の子宮外妊娠の例が増えます。
これは、クラミジアという性感染症が関わっていることが多く、卵管が詰まり、子宮外で妊娠してしまった為に起こる病気です。
夏休みだからといって解放的になるのはぜひぜひ気をつけていただきたいと思います。

二見いすず: 波多江さんのお話を伺って、現実にそういった例が多いというのは、大変驚きです。
では、どうやって防いだらいいのでしょうか。

波多江正紀Dr: 実際に感染した若い人の話を聞きますと、あまりにも無防備だという印象があります。
学校の性教育などでコンドームのことは知っていても、正しい使い方を知らないケースも多いです、いざとなったら持っているのに使わないという困った例もあります。
性感染症予防については、性行為を行わないのが一番ですが、もし行うとすれば、コンドームを始めからきっちりとつけて、きっちりと使えるということが大切だと思います。

二見いすず: 正しい知識を持つことが非常に大事だと思います。
先ほど、10代の非常に若い人たちにも増えているということでしたので、保護者の方々が何かできることはありますでしょうか。

波多江正紀Dr: 家庭の中で、いきなり性感染症の話はしにくいかもしれません。
ですが、性、セックスという問題は人生に関わる話です。
まず、「どういう結婚をし、どういった家庭を作りたいか」という本人の理想のようなものをつくっていくことが大切だと思います。
子育てなどについても話すことも必要だと思います。
そういう話をする中で、自然に自分の人生や将来の結婚を考え、自ずと性を大切にするという意識が芽生えるのではないでしょうか。
その中でも、最も見本となるのはいい夫婦、仲のいい夫婦であるということが家庭の中の一番のポイントであるということだと思います。

二見いすず: 普段から自然にいつも何でも話せるような家族間の関わりがあるといいのではないでしょうか。

波多江正紀Dr: まったくその通りだと思います。

二見いすず: 3週に渡り、性感染症について鹿児島県医師会の波多江 正紀(はたえ まさゆき)ドクターにお話を伺いました。
ありがとうございました。

波多江正紀Dr: ありがとうございました。