2006.12.9 
第189回放送分『インフルエンザ』 ゲスト:馬場泰光ドクター


二見いすず: 先週から2週に渡り、インフルエンザについてお話を伺っております。
馬場さん、どうぞよろしくお願いいたします。

馬場 泰光Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は予防法についてうかがいました。
今週は、インフルエンザに感染してしまった場合について伺いたいと思います。

馬場 泰光Dr: インフルエンザは、感染してからたったの1〜3日で発病します。
突然の高熱やひどい全身倦怠感があったりする場合は、一般的なかぜとは違って、インフルエンザの可能性が高いと思われます。
とはいうものの、普通の風邪かインフルエンザか見極めるのはなかなか難しいものです。
最近では、医療機関では、インフルエンザの疑いがある人には、診断キットを準備している場合も多いと思います。

二見いすず: 発症してすぐに薬を飲むといいと聞いたことがあるのですが。

馬場 泰光Dr: はい。
商品名タミフルやあと1〜2種類ある抗ウイルス剤を、インフルエンザ発症後48時間以内に使用すると、症状をやわらげる場合があると言われています。

二見いすず: なるほど。
そのほかにできることはありますか。

馬場 泰光Dr: そうですね。
一般的なことですが、やはり安静にすること、栄養をとること、水分補給をすることなどが大切です。

二見いすず: インフルエンザというと、やはり子どもやお年寄りがかかると大変というイメージがあります。

馬場 泰光Dr: はい。
子どもは、重症化したときに脳炎が心配されますし、お年寄りも何らかの持病がある場合、インフルエンザがきっかけになって死に至る場合もあるのです。

二見いすず: 高齢の方は十分に気をつけていただきたいですね。
それにしても、子どもがインフルエンザの高熱でうなされたりすると、お母さんたちは心配されると思いますが。

馬場 泰光Dr: 高熱が続くと、お母さん方は解熱剤を使いたくなるのは当然なのですが、子どもに適した解熱剤しか使用を勧められません。
お薬の投与はかかりつけの小児科医とよく相談してください。

二見いすず: ご自分で判断なさらないでください。
それと、寒気がしたりするときにどの程度の保温が必要なのでしょうか。

馬場 泰光Dr: はい、インフルエンザにかかったときに、「寒気がする」というときが多くて、その場合は保温が必要なのですが、毛布をぐるぐる巻きにするくらいの保温方法では熱が体にこもってしまって、あまりお勧めできません。
寒くない程度の保温は必要なのですが、熱放出も心がけていただきたいと思います。

二見いすず: 保温と熱放出のバランスということですね。
では、最後に、自分がかかってしまったときは、職場や学校でほかの人にうつさないようにするためには、どのくらい自宅で療養すればいいでしょうか。

馬場 泰光Dr: そうですね。
熱がひいてから1日目までは感染力が残るといわれています。
熱がひいてからあと1日、2日は休んでいただきたいと思います。

二見いすず: 良く分かりました。
予防接種まだの方はお早めに受けてください。
馬場さん、2週にわたり、インフルエンザに関するお話、ありがとうございました。

馬場 泰光Dr: ありがとうございました。