2006.12.16
第190回放送分『頭痛』 ゲスト:宇根文穂ドクター


二見いすず: 今年もいよいよ押し迫ってまいりました。
今年最後のドクタートークのテーマは、「頭痛」です。
今日から3回にわたって、鹿児島県医師会の宇根文穂(うねふみほ)ドクターにお話を伺ってまいります。
宇根さん、どうぞよろしくお願いいたします。

宇根 文穂Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 一口に「頭痛」といいましても、いくつかタイプがあるそうですね。

宇根 文穂Dr: はい。「国際頭痛学会」では頭痛を大きく三つに分けています。
単純に痛みだけを止めればいい「一次性頭痛」、頭痛の原因になる何かほかの病気がある「二次性頭痛」、それから三つ目は頭の周辺の神経痛などです。

二見いすず: 「二次性頭痛」というのが気になりますね。

宇根 文穂Dr: 例えば、頭の痛みを火災報知機の警報と考えてみましょう。
火災報知機がなったとき、その警報がほんとうの火事を知らせているのか、そうではなくて誤作動で鳴っているのかを確かめなくてはなりませんよね。
つまり、頭痛を感じたとき、ほかに病気があってそのサインとして頭痛がしているのか、それとも単純に痛みをとめればいい頭痛なのかどうかを確認しないといけません。

二見いすず: 警報機がなったとき、本当の火事ならば、その火事を消さなければならない、つまり、頭痛のもとになる病気を治療しなくてはならないですし、また、火事ではなく火災報知機の誤作動だ、ということであれば、警報をとめさえすればいい、つまり、痛みをとめさえすればいい、ということでしょうか。

宇根 文穂Dr: その通りです。
また、今日の頭痛はいつもと違うなと感じたら要注意ですね。

二見いすず: 病気が原因の場合がある、ということでしょうか。

宇根 文穂Dr: はい。経験したことがないような突然の激しい頭痛や、手足の動きや口のもつれなどを伴うとき、発熱を伴う頭痛、また、50歳以上の方が初めて経験されるような激しい頭痛にあったときも要注意です。
その頭痛は、ほかの病気のサインかもしれません。

二見いすず: どんな病気が原因として考えられるんでしょうか。

宇根 文穂Dr: たとえば、「今までに経験したことのない突然の激しい頭痛」というのは、典型的なくも膜下出血の頭痛です。
くも膜下出血は、動脈のこぶが破れて頭の中に出血する病気です。
多くの場合、一回目の軽い発作のときに適切な治療をして二回目の破裂を防ぐことが大切なんです。
そのほかにも、脳腫瘍や、髄膜炎など二次性頭痛の原因と考えられる病気にはいろいろあります。

二見いすず: なるほど。よく分かりました。
お話は、鹿児島県医師会の宇根文穂(うねふみほ)ドクターでした。
ありがとうございました。

宇根 文穂Dr: ありがとうございました。