2006.12.23
第191回放送分『頭痛』 ゲスト:宇根文穂ドクター


二見いすず: 今日のドクタートークは、先週に引き続き、「頭痛」をテーマに、鹿児島県医師会の宇根文穂(ふねふみほ)ドクターにお話を伺ってまいります。
宇根さん、どうぞよろしくお願いいたします。

宇根 文穂Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 前回は、病気のサインとしての頭痛についてお話を伺いました。
今回は「片頭痛」についてお伺いしたいと思います。

宇根 文穂Dr: はい。
典型的な「片頭痛」とは、頭の片方、つまり、右半分や左半分がずきずき痛む頭痛です。
時には「目がちらちらする」などの前兆を感じる人もいます。
動くよりじっとしているほうが楽で、吐き気がしたり、いつもより臭いが気になったり、まぶしいような感じがしたりする人もいます。

二見いすず: どのくらいの方がかかっているんですか。

宇根 文穂Dr: 人口全体の8.4%の人がかかっているといわれ、そのうちの75%程度の人が、そのために学校や仕事を休んで寝込んでしまうなど日常生活に支障をきたしています。
治療の対象となるのは、このような方々です。

二見いすず: 日常生活に支障をきたすとは大変ですね。
何か対処法はあるのでしょうか。

宇根 文穂Dr: 残念ながら、片頭痛には普通の鎮痛剤は効きません。
もし、普通の鎮痛剤が効くのであればそれは片頭痛ではないということ言うことができるほどです。
でも、薬が効かないから量を増やす、あるいは長期間、鎮痛剤を飲み続けるというのはかえってよくありませんよ。

二見いすず: 片頭痛によく効くお薬というのはあるんでしょうか。

宇根 文穂Dr: 西暦2000年になってから、片頭痛の緩和に効果のあるトリプタン製剤といわれる薬が保険で使えるようになってから、格段に治療が進歩しました。
内服薬もいろんなタイプのものが出ていますし、鼻に噴霧するタイプの薬もあります。

二見いすず: その薬はどこへ行けば処方していただけるんでしょうか。

宇根 文穂Dr: 神経内科や脳外科など、頭痛を専門で見ることのできる医療機関で相談されるのがよろしいでしょう。
また、いつも飲んでいるお薬がある人は、飲み合わせがよくないこともありますから、よく相談してみてください。

二見いすず: 片頭痛の予防はできるものでしょうか。

宇根 文穂Dr: 片頭痛の原因として、ストレス、緊張、疲れ、月経周期などは多くの方に共通しています。
また、食べ物としては、赤ワイン、チョコレート、チーズ、ピーナッツなどが、人によっては片頭痛を起こすこともあります。
片頭痛の方は、自分がどういう状態のときに片頭痛を起こすか、ということに普段から注意しておかれたらよいのではないでしょうか。

二見いすず: なるほどよく分かりました。
お話は、鹿児島県医師会の宇根文穂(うねふみほ)ドクターでした。