2006.12.30
第192回放送分『頭痛』 ゲスト:宇根文穂ドクター


二見いすず: ドクタートークも今年最後となりました。
今日は「頭痛」の三回目、鹿児島県医師会の宇根文穂(うねふみほ)ドクターにお話を伺ってまいります。
宇根さん、どうぞよろしくお願いいたします。

宇根 文穂Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 前回は「片頭痛」についてお聞きしました。
今回は緊張からくる頭痛がある聞いたことがあるのですが、それはどのようなものですか?

宇根 文穂Dr: はい。
それは、緊張型頭痛といい、30〜80%の人が一生のうちに一回は経験するといわれます。
これは頭痛の中でも、また、すべての病気の中でもたくさんの人を悩ませている病気といえるでしょう。

二見いすず: 片頭痛との違いはどんなところでしょうか。

宇根 文穂Dr: 頭痛の場所は頭の両側で、圧迫するような、締め付けられるような痛みで、脈と連動してずきずきするような痛みではないのが特徴です。
また、片頭痛と違って、歩いたり、階段を上り下りしても悪化することはありません。
また、食欲不振はあっても、吐き気はなく、まぶしさなども伴わないのが緊張型頭痛の特徴です。

二見いすず: 緊張型頭痛も習慣的に起こるものですか。

宇根 文穂Dr: そうですね。
ほぼ毎日あるという人もいれば、一ヶ月に1日程度という人、二日にいっぺんという人もいます。
原因としては、日常生活で経験する心理的なストレス、不安、抑うつ、それから、運動不足、うつむいた姿勢を長時間とっている場合などもあげられます。

二見いすず: なるほど。
思い当たる方も多いのではないでしょうか。

宇根 文穂Dr: 治療の方法としては、お薬を使う場合と、そうでない場合があります。
痛み止めや、筋肉を和らげる薬、時には、抗不安薬、抗うつ薬などです。
市販の薬でも良いのですが、薬を長期間、漫然と使用すると、薬物乱用頭痛になってしまうこともあるので、気をつけなくてはいけません。

二見いすず: そうですか。やはり、医療機関で診てもらって、お薬を処方していただくと安心できますね。

宇根 文穂Dr: そうですね。
また、薬を使わない治療法としては、頚部の指圧、鍼灸、頭痛予防のための体操、筋肉をリラックスさせる訓練などがあります。

二見いすず: 三回にわたって「頭痛」についてお話を伺ってまいりましたが、宇根さん、まとめをお願いいたします。

宇根 文穂Dr: はい。
頭痛を感じた時は、それがいつもの頭痛かどうかを判断してください。
「おや、今日の頭痛はいつもと違うな」と感じたら医療機関を受診されることをお勧めします。
それから、慢性頭痛が気になる方は、一度、CTスキャンやMRIなどを受けてみて、自分の頭痛がほかの病気のサインではないことを確認されると安心かもしれませんね。

二見いすず: お話は、鹿児島県医師会の宇根文穂(うねふみほ)ドクターでした。
みなさま、どうぞ、よいお年を!