2007.2.3
第197回放送分『感染性胃腸炎』 ゲスト:南武嗣ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「感染性胃腸炎」について、鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクター にお話を伺ってまいります。
南さん、どうぞよろしくお願いいたします。

南 武嗣Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: まず、「感染性胃腸炎」とは、なんだか難しい響きですが、いったいどのようなものなのでしょうか。

南 武嗣Dr: はい。感染性胃腸炎とは、ウイルスまたは細菌などの感染する病原体が原因で胃腸炎になる病気のことです。
今話題の「ノロウイルス」などは、ウイルスによる感染性胃腸炎の代表的なものです。

二見いすず: なるほど。
あの「ノロウイルス」ですね。

南 武嗣Dr: 細菌性の感染性胃腸炎の代表的なものは、皆さんよくご存じの「0−157」などがあります。

二見いすず: 「0−157」も感染性胃腸炎なのですね。
夏場になると、注意しましょうという報道もよく耳にいたしますが、やはり、季節によって増える時期というのがあるのでしょうか。

南 武嗣Dr: はい。一年中発生しているのですが、ウイルス性の感染性胃腸炎は冬場の発生率が多く、細菌性のものは夏場が多いといわれています。
ノロウイルスは、過去のデータで見ると、12〜2月がピークとなっているようです。

二見いすず: まさに今一番気をつけなくてはいけない時期ですね。
これらの病気は、胃腸炎ということなので、やはり症状としてはお腹が痛くなったりするのでしょうか。

南 武嗣Dr: そうですね。
原因によって症状は異なりますが、代表的なものとしては、嘔吐、腹痛、それから血便や水のような下痢などがあげられます。
発熱をともなうこともあります。

二見いすず: 分かりました。
やはり子どもがかかりやすいのでしょうか。

南 武嗣Dr: 子どもが特にかかりやすいという訳ではありませんが、健康な成人の場合は、免疫力や抵抗力が強いため感染しても症状が軽くてすむ場合が多いようです。
しかし、子どもやお年寄りなどがかかった場合は、嘔吐や下痢などによって脱水症状になったり、嘔吐物をのどに詰まらせて窒息したり、お年よりの場合は脱水から脳梗塞を起こすというケースもあり、命に関わる可能性もあるんです。

二見いすず: 命に関わることもあるんですね。
子どもやお年寄りのいらっしゃるご家庭は、特に注意して、感染性胃腸炎にかからないように心掛けることが大切ですね。

南 武嗣Dr: そうですね。
まず予防には、手洗いを徹底することが何より大切です。
また、ウイルスや細菌を保有している危険性のある食べ物などは充分火を通して食べることなどの注意が必要だと思います。

二見いすず: 分かりました。
では、来週からはより具体的に、感染性胃腸炎の代表的なものについて、詳しく伺っていきたいと思います。
お話は鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターでした。
ありがとうございました。

南 武嗣Dr: ありがとうございました。