2007.2.10
第198回放送分『感染性胃腸炎』 ゲスト:南武嗣ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「感染性胃腸炎」について、鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクター にお話を伺っています。
南さん、どうぞよろしくお願いいたします。

南 武嗣Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週のお話では、話題の感染性胃腸炎の一つとして、今話題のノロウイルスのお話がでました。
随分取り沙汰されているようですが、どんな病気なのでしょうか。

南 武嗣Dr: 体力のある成人なら、症状は軽く、3日くらいで軽快するケースがほとんどです。
ただ、先日ノロウイルスでお年寄りが亡くなったという報道がありましたが、お年寄りや子どもたちは注意が必要です。
ノロウイルスなどの感染性胃腸炎にかかると、子どもはすぐに脱水症状に陥ったり、体力が落ちているお年寄りは、嘔吐物をのどに詰まらせて窒息したり、肺炎になったりして、命を落としてしまうことがあります。

二見いすず: お年寄りがいる家庭や施設などでは、十分に注意が必要ですね。
ノロウイルスは二枚貝に含まれていると聞いたことがあるのですが。

南 武嗣Dr: ノロウイルスは生の二枚貝に含まれている可能性があるので、食べるときは、十分に加熱調理してください。
使った包丁やまな板などを消毒することもおすすめします。
感染は、食べ物からの場合と、保育園、幼稚園や学校、そしてお年寄りの施設などで人から人へ感染する場合もあります。

二見いすず: では、症状はどういうものなのでしょうか。

南 武嗣Dr: はい。ノロウイルスの場合、感染して1〜2日経ってから、突然の嘔吐ではじまることが多いようです。
1日4〜5回、嘔吐をする場合もあり、腹痛もともないます。
その後で下痢の症状がでてきます。

二見いすず: それは大変ですね。
治療法は何かあるのですか。

南 武嗣Dr: 残念ながら直接的な治療法はありません。
嘔吐や下痢に伴う脱水症状などを軽くするために、ナトリウムの入ったイオン飲料などで対処療法を行ないます。
症状が良くならないときは、病院での治療が必要になることもあります。

二見いすず: 先ほどのお話で、体力の有る成人でしたら、3日くらいで症状が軽くなるということでしたが、ウイルスもなくなっていると思っていいのでしょうか。

南 武嗣Dr: いえいえ、ここが注意が必要なんです。
症状が軽くなり、治ったようにみえても、実はウイルスは1週間くらい便から排泄されています。
だから、ノロウイルスが治ったと思って、注意を怠ると、ウイルスが他の人に感染してしまうことも考えられるのです。

二見いすず: 1週間も続くのですか。
では、しばらくは注意が必要ですね。

南 武嗣Dr: その通りです。
特に小さい子どもさん、お年寄りが近くにいらっしゃる場合は、調理するときの手洗いなど注意していただきたいですね。

二見いすず: 分かりました。
では、来週は、ノロウイルスの注意事項について、詳しく伺いたいと思います。
お話は鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターでした。
ありがとうございました。

南 武嗣Dr: ありがとうございました。