2007.2.17
第199回放送分『感染性胃腸炎』 ゲスト:南武嗣ドクター


二見いすず: 今月のドクタートークは、「感染性胃腸炎」について、鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクター にお話を伺っています。
南さん、どうぞよろしくお願いいたします。

南 武嗣Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、ノロウイルスの予防や症状についてお話を伺いました。
ノロウイルスによる感染性胃腸炎は、直接治す治療薬はないとうかがいました。
では、かかってしまったときは、どうしたらいいのでしょうか。

南 武嗣Dr: はい。先週も少しお話しましたが、ノロウイルスによる感染性胃腸炎では、繰り返す嘔吐と下痢がおこります。
嘔吐物や下痢には大量のイオンが含まれていますので、これをおぎなうため水分とイオンの補給を心掛けてください。
市販のナトリウム入りのイオン飲料でもいいですし、調剤薬局には高濃度のナトリウムの入ったイオン飲料も販売されています。
水分とイオンの取り方としては、5分おきくらいに少しずつ飲むという方法が効果的です。

二見いすず: イオン飲料の飲み方などは、調剤薬局で伺うといいですね。
少しずつ水分補給するのがポイントですね。

南 武嗣Dr: そうですね。
また、特に注意が必要なのは、感染者のおう吐物や下痢の処理です。
これらには、多量のノロウイルスが含まれますから、感染者が吐いてしまったときなどは、他の人への感染を防ぐために特に注意が必要です。

二見いすず: 具体的にはどうしたらよろしいのでしょうか。

南 武嗣Dr: はい。まず、床に吐かれたおう吐物を片付けるときなど、使い捨てのマスクをして、ビニールやラテックスの手袋をはめ、使い捨てできるペーパーなどでふきとりましょう。
その後、ペーパーや手袋は、ビニール袋に入れて、そのまま処分してください。

二見いすず: 処理に使ったものはすべて密封して処分するということですね。

南 武嗣Dr: そうです。
また、床などは、台所用漂白剤を50倍くらいに水で薄めると、中に入っている次亜塩素酸ナトリウムが0.1%くらいになります。
この液にひたしたペーパーを10分程置いて消毒し、拭き取るという方法もあります。
ただし、床やカーペットが色おちする場合もありますので、御注意ください。

二見いすず: そのほかに、何か気をつけることはありますか。

南 武嗣Dr: このとき、部屋の換気をすることも忘れないでくださいね。
ノロウィルスが空気中に浮遊しそれから感染することもあるからです。

二見いすず: わかりました。
おう吐物を処理する時は、必ず窓を開けて、ということですね。

南 武嗣Dr: ノロウイルスが原因の感染性胃腸炎は、体力のある成人なら、短期間でよくなると申し上げましたが、個人差がありますので、なかなか治らなかったり、状態がひどい場合は、やはり医療機関へ相談されることをおすすめします。

二見いすず: わかりました。
今週は、ノロウイルスが原因の感染性胃腸炎にかかったときの対処法についてお話を伺いました。
お話は鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターでした。
ありがとうございました。

南 武嗣Dr: ありがとうございました。